栄養素の基本知識

私は小さい時に母親からよく「何々は栄養があるんだから、ちゃんと食べなさい!」とその度に何度も言われました!今では母親にとても感謝しています。

人間は僅か3kg程度で生まれてから成長して成人になると、赤ちゃんだった時の体重が20倍前後となります。それは全て自分のからだの中で食べ物が身体の中で、あるものは血になり、あるものは肉になり、あるものは骨になりと食物によって身体は作られていきます。
だから、必要な食物をバランス良く食べないとなりません。

でもどうしても嫌いなものがある場合は、それに変わる「美味しい食べ物」で栄養のバランスを摂りたいですよね!?
そこでまず、「栄養素」について知りましょう!


栄養素って何?

栄養素とは、食物に含まれる成分で不足すると生活活動ができなくなるものをいいます。
具体的には、炭水化物・脂質・たんぱく質・無機質・ビタミンがあります。また、水は栄養素には含まれませんが、生命維持に重要な役割を果たしています。

五大栄養素について

「五大栄養素ってなんですか?」と聞かれたらすぐ答えることが出来ますか?

五大栄養素は、炭水化物・脂質・たんぱく質・無機質・ビタミンをいいます。これらの栄養素は体に絶対必要な栄養素で「必須脂肪酸」とも呼ばれます。

「あれ、カルシウムは?」と思う人がいるかもしれません。

カルシウムは無機質の中の1つなのです。無機質はカルシウム・リン・鉄・ナトリウム・カリウム・よう素・マグネシウム・マンガン・銅・亜鉛・コバルト・塩素の12種類で構成されます。

ビタミンは2つに分類されます。ビタミンB1・ビタミンB2・ナイアシン・ビタミンB6・葉酸・ビタミンB12・パントテン酸・ビタミンCの8種類が水溶性です。ビタミンA・ビタミンD・ビタミンE・ビタミンKの4種類が脂溶性です。

五大栄養素の体内での役割

炭水化物(糖質)
炭水化物は生活活動のエネルギー源となる糖質です。炭水化物はブドウ糖に変化 し、酸化分解してエネルギーとなり、肝臓と筋肉に蓄えられ、必要なときにブド ウ糖となり、エネルギーとして使われます。
しかし、食べ過ぎは中性脂肪にかわり皮下脂肪になります。

脂質
脂質は高ネルギー源として重要です。脂溶性のビタミン(A・D・E)の吸収をよくする働きがあります。脂質は十二指腸でグリセリンと脂肪酸に分解され小腸で吸収されます。吸収された脂質は腸内で再合成されてエネルギー源となり、また、神経組織やホルモンの合成材料にもなります。残りは皮下脂肪となって体温の維持などに役立てられます。

たんぱく質(プロテイン)
たんぱく質は臓器や筋肉・血色素・酵素・ホルモン・免疫・たんぱく質などの 構成成分や血液の浸透圧の維持に使われ、エネルギー源ともなります。
体内ではたんぱく質の合成と分解・排泄が常に行われており、からだづくりの全てにたんぱく質は不可欠です。たんぱく質は20種類のアミノ酸から作られていますが、その内10種類の必須アミノ酸は体内で生成することができません。

無機質(ミネラル)
無機質はからだの構成成分としての役割と、生理作用を調節する役割を果たし ます。からだの構成成分としては、骨や歯などの成分(カルシウム)や筋肉・ 細胞膜・血液(鉄・カルシウム)などの軟組織の成分になります。生理作用を 調整する機能としては、体液の浸透圧を正常に保つ(カリウムとナトリウム) 筋肉のはたらきを正常に保つ(カルシウムとマグネシウム)はたらきをします。

ビタミン
ビタミンは生理作用の調整や、酵素を活性化させる補酵素として新陳代謝に使 われます。ビタミンB1は心臓や筋肉の機能を正常に保ち、ビタミンB2は皮膚や粘膜を健康に保つはたらきがあります。ビタミンCはストレスに対する抵抗力と免疫力を高めます。
ビタミンAは上皮細胞を保護・発育させて細胞に対する抵抗力を増進します。ビタミンDは血液中のカルシウムとリンのバランスを保つはたらきがあり、ビタミンEは生殖機能を正常に保ちます。
動物は体内で作ることができますが、人間は体内で作ることができないので食物から摂取しなければなりません。

補足 水の役割

水は栄養素ではありませんが、きわめて重要な成分です。成人の場合、体重の50~60%を占め、その13分の1を失うと生命が危機になります。水は、栄養素の 摂取・溶解・消化・吸収・体液の流動・代謝の排泄・体温の調節・体細胞の維持な どに使われます。水の大部分は飲食物により体内に摂取されます。
一部は代謝時に発生し、1000kcalの食物を摂取すると約100mlの水を酸化 によって生じます。不要になった水分は、尿や汗、糞便として体外へ排出され、呼 吸や体表面の蒸発としても排出されます。

六番目の栄養素について

近年、六番目の栄養素として注目されているのが食物繊維です。可溶性と不溶性とが あり、可溶性の食物繊維は胆汁酸の排泄を促進するので、血中コレステロールの上昇 抑制作用があります。また、大腸で発酵を受けやすく生産物が有効利用されます。
不溶性の食物繊維は吸着による排泄促進作用、摂取量の増加により、腸内容物の移動 促進作用があります。その、結果刺激暖和などによる大腸ガン発症や大腸憩室の抑制 作用など、いくつかの作用を上げることができます。
よって、生活習慣病の予防因子として重要な役割を果たしているのです。

三大栄養素について

たぶん皆さんご存知と思いますが、三大栄養素は炭水化物・脂質・たんぱく質です。三大栄養素から五大栄養素へ、そして六大栄養素へと日々情報は進化しています。
常にアンテナを張らせて情報収集する必要があるのではないでしょうか。

(文責: 管理栄養士 髙山 益実)