食物繊維

食物繊維(ダイエタリー・ファイバー)

○ 第6の栄養素

食物繊維(ダイエタリー・ファイバー)とは、食品中の成分のうち、人の消化酵素で消化されにくい成分のことをいい、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維とに分けられます。
水溶性食物繊維は、ヌルヌルとした粘性と、保水性が高いのが特徴です。糖分の吸収速度をゆるやかにするので、食後の血糖値の急激な上昇を抑えてくれます。さらに、血液中のコレステロール値を減少させる働きもあります。
不溶性食物繊維は、水に溶けにくい繊維質で、水分を保持し、便のかさを増やして排便を促す作用の他、発ガン性物質などの腸内の有害物質を体外へと排出させる働きを持つとも言われています。
役に立たないと考えられていた食物繊維ですが、現在では5大栄養素(たんぱく質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラル)に続く、「第6の栄養素」として重要視されています。

水溶性食物繊維

こんにゃく/海藻類(寒天、こんぶ、ひじき、わかめ、もずく、など)/果実類 等 長芋と切り干し大根の炊き合わせ/けの汁/サツマイモとブロッコリーの豆腐ぬた和え/ヒジキとゴボウのきんぴら/ホウレン草と茸の胡麻よごし/まめまめ白和え/ピーマンのオートミール詰め/春菊と炒り大豆のおから

不溶性食物繊維

穀類(そば、ライ麦、など)/豆類(大豆、あずき、えんどうまめ、など)/野菜類(ごぼう、切り干し大根、ブロッコリー、たけのこ、とうもろこし、など)/イモ類(さつまいも、さといも、やまのいも、など)/キノコ類(えのきだけ、きくらげ、しいたけ、など)

○ 現代の食生活では不足気味

未精製の穀類に根菜、豆類の煮物といった、昔ながらの和食の献立とは違い、高タンパク・高脂肪になりがちな現在の食生活において、食物繊維は不足傾向にあるといわれています。食物繊維が不足すると、便秘はもちろん、肥満や糖尿病といった生活習慣病の原因にもなりかねません。
しかし過剰に摂取すると、下痢の症状を引き起こして体に必要なミネラル分まで排出してしまったり、かえって便秘がひどくなることもあります。特にサプリメントなどで食物繊維を補う際には、摂取量に注意が必要です。
食物繊維(g)成人1日あたりの目標量 男性:20g 女性:17~18g

参考:食育大辞典


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