2010年8月 2日 -- 心の病 --

言葉が届くと、行動が変わる (下)

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諏訪中央病院の緑の庭に立つ鎌田實。医療でも、広告の世界も、言葉をどう伝えるかが行動変容のカギを握る。

 ぼくの仕事は、一人の患者さんを診察し、治療と並行して、生活習慣や考え方を変えてもらうように、言葉で刺激を与えていくことだ。そのとき、患者さんにベネフィットを示してあげることができれば、行動変容の成功率は高くなる。

 患者さんにとってのベネフィットとは、病状が改善していることを示す検査データであったり、症状が軽くなったという患者さん自身の実感だったりする。

 でも、厳しい状態にある患者さんもいる。目先のベネフィットを示してあげられないことも多い。そんなときは、治療の先にある、その人の夢や目的がかなうように、応援している。それが、患者さんにとってのベネフィットとなると信じているからだ。

 人はどんな状況に追い詰められても、望む方向に顔を向け、耳をそばだてている。そのときに、その人が本当に聞きたい言葉とは何かを真剣に考えぬくこと。それが「伝える技術」のスタートラインではないだろうか。

 山本さんの広告という仕事と、住民の健康を守るぼくの仕事には、共通する点があると思った。


プロフィール
鎌田實さん
鎌田實 かまたみのる
誕生日:1948年6月28日
諏訪中央病院名誉院長
詳しいプロフィールはこちら

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