2010年6月 8日 -- 高血圧 --

脳卒中、前触れ見逃さない

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岩手医大・小川学長が講演

脳卒中について身振り手振りを交えて説明する小川学長

 「健康に長生きするために~脳卒中にならない極意~」と題して5月29日に開かれた「いわて健康塾」。岩手医大の小川彰学長は、手術の映像も見せて、「前触れを見逃さず、重症かどうかわからなくても、検査すべきだ」とアドバイスした。

 脳卒中はがん、心臓病に並ぶ3大死因。入院治療者数は最も多く、がんの1・5倍、心臓病の3・5倍だ。社会復帰できるケースは42%。寝たきり患者の原因の4分の1を占める。認知症の原因のほとんどもそうだ。社会復帰が難しいため、家族にも大きな負担となる。

 3大脳卒中は、脳内出血、くも膜下出血、脳梗塞(こうそく)。くも膜下出血では、読売巨人軍の木村拓也コーチが37歳で亡くなった。脳卒中は高齢者に多いが、くも膜下出血は若い頃から起こる。

 まず脳梗塞。脳は血管が豊富で、動脈硬化で詰まるとその部分の脳が死ぬ。この前触れはある。半身の脱力やしびれ、言語や視野の障害などだが、すぐに収まり、見逃されやすい。心臓の場合なら、動脈硬化による狭心症は激痛があり、すぐに病院に行く。しかし、脳は重症感がなく、治療の機会を逃しがちだ。最近は良い薬があり、3時間以内に治療できれば回復する可能性は上がる。

 次はくも膜下出血。血管の壁は弱く、血管の曲がり具合によっては、血圧で壁がだんだん膨れて薄くなり、突然、破裂してパッと出血する。木村コーチはグラウンドで倒れたが、もしかすると1週間程前に、後ろからバットで殴られたような頭痛発作などが一時的にあった可能性がある。それに気づいて治療していたら助かったかもしれない。

 食生活、生活習慣が似ている肉親に、くも膜下出血や動脈(りゅう)がある人は、リスクが9倍高まる。岩手は脳卒中多発県だ。動脈瘤のうちに発見し、処置すべきで、今は破裂する前の3ミリの動脈瘤を見つけられる。脳ドックが有効なので、3~5年ごとに受けてほしい。

 脳内の神経に傷がついたらマヒが一生残ることもあり、慎重に手術する。

 脳内出血は、血圧が低い人に起こる可能性は低い。高血圧が発症原因となるのは、脳梗塞で54%、脳出血で62%、くも膜下出血で41%に上る。肥満に高血圧、糖尿病、高脂血症が加わるとメタボリックシンドロームになり、脳卒中となりやすくなる。そうならないように10か条を紹介する。

脳卒中予防10か条
〈1〉手始めに高血圧から治しましょう
〈2〉糖尿病 放っておいたら悔い残る
〈3〉不整脈 見つかり次第すぐ受診
〈4〉予防にはたばこをやめる意志を持て
〈5〉アルコール 控えめは薬、過ぎれば毒
〈6〉高すぎるコレステロールも見逃すな
〈7〉お食事の塩分・脂肪控えめに
〈8〉体力に合った運動続けよう
〈9〉万病の引き金になる太りすぎ
〈10〉脳卒中 起きたらすぐに病院へ

2010年6月7日 読売新聞)


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