減塩のコツ
(3)良質の「だし」でおいしく
「コク」や「だし」をうまく使うことで、おいしい減塩食ができる。
岐阜大学病院では、塩分制限が必要な患者の減塩食として、2006年から、コクを生かした味付けの工夫を始めた。マーボー豆腐であれば、市販品と同じ材料を使っても、塩分が1食0・6グラム少なく調理できるようになった。塩分が少なすぎると感じる人もいるが、患者満足度は60%以上になるという。
コクを出すため、タマネギやにんじんを煮詰めたものや、トマトをペースト状にしたものを添加した減塩用の煮物のたれや、浅漬けのもとを開発した。栄養管理室長の田村孝志さんは「人の味覚は、うま味、コク、とろみを利用することで、塩味が長続きし、減塩を感じさせないことができる」と話す。
だしをうまく使うのは、東京の老舗「つきぢ田村」の3代目、田村隆さん。「おいしく食べるためには、香りや歯ごたえ、色も含めて五感で楽しむことも大切です」と話す。和食は塩分が高くなりがちだが、田村では今春、良質のだしをたっぷりと使った減塩花見弁当を試作した。食材を厳選し、焼き魚の味付けや、ご飯に香りのする白ごまをかけるなど調理方法を工夫した。
田村さんは、家庭で出来る減塩料理として、自家製の「昆布水」をだしに使うことを提案する。水に昆布を入れて冷蔵庫に常備しておけば便利だという。(内田健司)
おいしい減塩食・工夫のポイント(つきぢ田村の「御献立」より)
〈1〉良質のだしをたっぷり
〈2〉塩味だけでなく、酸味や甘みな どの味覚も楽しむ
〈3〉良い食材を選ぶ
〈4〉焼 き目をつけたり、香ばしさなどにひと工夫
〈5〉塩漬けは完全に塩抜きしてから
〈6〉 献立にストーリー、料理にもメリハリを
(2010年4月17日 読売新聞)


