貯金ダイエット
体重計に載るカマタ。いつも自分の体重を知っておくことがセルフコントロールに役立つ。
生き方も健康のつくり方も、コツがある。そのカギは、「行動変容」できるかどうかである。今回は、肥満予防のための「行動変容」のヒントをお送りしよう。
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アメリカのハーバード大学の研究チームが、2007年におもしろい発表をした。
ボストン近郊に住む、BMI(体格指数)が30以上の肥満の人の人間関係を約30年間追跡調査した。
その結果、肥満になる確率は、配偶者が肥満だと37%、兄弟姉妹が肥満だと40%増えるという。
配偶者37%と兄弟姉妹40%の差は、何だろうか。この差はわずかで、統計的優位差がないのは承知している。配偶者同士は食事や生活習慣が似てくることが原因と推測される。兄弟姉妹のほうは、生活習慣に遺伝的な要素が加わることによって、ちょっとだけリスクが上がるのかもしれない。
おもしろいのは、次の結果。肥満の友人がいる人は、いない人に比べて57%も肥満になりやすいというのだ。
これは、どう考えたらいいのだろう。もちろん、肥満が伝染するわけはない。
ぼくは、イメージの問題だと勝手に思った。
周りに肥満の人がいると、肥満への抵抗感が薄れてしまう。親しい付き合いをするなかで、食欲を刺激されることもあるだろう。
こうしたイメージの力をうまく利用したのが、体重計に載るだけのダイエット。毎日、体重を測定することで、無理に食事制限しなくても、自然にセルフコントロールができるようになるのである。
セルフコントロールがうまくいき、体重が減っていくと、体重計に載るのが楽しくなる。そして、ますますコントロールがうまくいき、体重は減っていく。いい回転がはじまっていく。
問題は、思うように体重が減らないとき。結果が出ないときである。こういうときに、体重計に載るのは勇気がいる。もう少し、やせてから載ろうなんて、現実を先送りしているうちに、ちょっとやそっとでは挽回できない事態に陥っていることも多い。
したがって、思うように結果が出ないときにこそ、体重計に載れるかどうか、現実を受け入れられるかどうかが、勝負の分かれ目となる。
自分に厳しくできない人は、他人にやさしくしてはどうだろうか。
たとえば、本当は食べたいところを、一品料理を減らして、その分の代金を食べたつもりで貯金する。その貯金を恵まれない人のために寄付をするのはどうだろうか。
2009年の国連食糧農業機関の発表によると、世界の飢餓人口は前年より約1億人増えて10億2000万人となった。はじめて飢餓人口が10億人を突破したのである。世界では6人に1人が飢餓に陥っている。世界では子どもの15%は食べ物や着るものに困っているというデータがある。
それなのに、ぼくたちは食べ過ぎて、肥満と戦っている。日本人の25%は太りすぎというデータがある。
だれかのためにと思うと、人間はけっこうやれる。「行動変容」を起こしやすい。
名づけて、貯金ダイエット。食べたつもりで貯金することが、自分の健康を守ることにもなるし、困っている人のために寄付をすれば、人の役にも立つ。生き方も、ちょっとおしゃれになる。
結局は、イメージが大切だ。体重を量り続けることで、セルフコントロールに成功している自分を確認するのもイメージ。そして、世界で飢えている子どもとともに生きている自分を振り返り、何か役立ちたいと思うのもイメージである。
さて、あなたはどんなイメージをもって、「行動変容」を起こそうとするだろうか。
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コメント、ありがとうございます。
[makibe]さん、子どもたちの授業に使いたいならばかまいません。その範囲でだけご使用ください。子どもたちに大切なことが伝わるとうれしいです。
[はみ]さん、手術室の看護師、お疲れだったと思います。今の病院医療は本当に疲れきっています。ぼくは、「空気」を変えたいと思い、「空気は読まない」(集英社)を書きました。本を読んでくれてありがとう。
[ピアノ]さん、そう、がんばらないって、けっこう難しい。あたまの片隅に入れて、がんばりすぎないようにするのが、ちょうどいいでしょう。
[Hawks大好き勤労主婦]さん、インターフェロンの治療成績はたいへん上がりました。子どもたちのためにも、まず、あなた自身が元気になるこ と。あせらずにいきましょう。
[至誠]さん、ラジオ深夜便を聞いてくれて、ありがとうございます。この国の空気をどう変えたらいいのか、真剣に考えています。
- プロフィール
- 鎌田實 かまたみのる
- 誕生日:1948年6月28日
- 諏訪中央病院名誉院長
詳しいプロフィールはこち ら


