2010年3月16日 -- 医療 --

常在菌と付き合う

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(1)腸内に400種類100兆個以上

 人は自分だけで生きているわけではない。顔、口、気道、胃、腸、尿路など、体のいたるところに細菌が()み着いている。「常在菌」だ。

 その中で最も多くいる場所は腸だ。400種類以上、100兆個以上とされ、人体を構成する約60兆個の細胞の数を上回る。大便の重量の1割ほどは、腸内細菌の死骸(しがい)と言われる。それほど多い。

 杏林大医学部感染症学教授の神谷茂さんによると、腸内にはバクテロイデス、ユウバクテリム、ラクトバシラスなど、実にさまざまな細菌が存在する。これらの多くは食事の残りカスを分解するなど腸内環境を整えてくれる。

 腸内細菌の世界の全貌(ぜ んぼう)は明らかではないが、このような「善玉菌」、または人間に悪さをしない菌が、全体の8割ほどを占めるとされる。

 残りは「悪玉菌」だ。大腸菌やウエルシュ菌などは、たんぱく質を分解して発がん物質を放出するとされる。しかし、ほかの腸内細菌群が、この発がん物質を分解・無毒化するので、体への悪影響はほとんどないという。

 神谷さんは「大腸菌は、単なる『悪玉菌』ではありません」と指摘する。これらの悪玉菌も、〈〉人間に必要なビタミンBなどを作る〈〉腸に集まる免疫細胞を刺激して、細菌などの侵入を防ぐ免疫機能を高める〈潰瘍(かいよう)性大腸炎治療薬のうち1種類の効果を高める――などの良い働きをすることが分かってきた。

 ただし、悪玉菌が増えすぎるなど腸内細菌のバランスが崩れると体調不良につながる。悪玉菌の増殖は、〈〉高たんぱく、高脂肪の食事を取り過ぎる〈〉不規則な生活でストレスが多い――などが原因とされるので、生活習慣を見直してみよう。

2010年3月16日 読売新聞)

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