2010年3月11日 -- メタボリック --

楽しむことが大事

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鎌田流がんばらないスクワットは、膝を曲げすぎないため、膝への負担が軽いのが特徴。腹筋を意識しながら、ゆっくりと腰を落として静止し、ゆっくりと立ち上がる。

 運動を生活習慣にするには、好きな運動をするのが一番だ。ぼくなら、スキー。でも、たいてい、運動不足の生活をしている人は運動が嫌い。そういう人に「行動変容」を起こしてもらうのが、たいへんなのだ。

 運動の重要性と必要性をよく知って、理論武装するのも方法。これは、けっこうまじめな方法だ。

 たとえば、がんという病気にならないようにするには、アメリカ国立がん研究所が提唱しているデザイナーフーズを参考にする方法がある。そのデザイ ナーフーズで、がん予防に頼りになりそうなのがキャベツ、ショウガ、ニンニクなどである。しかし、がんになりにくくするのは、実は食べ物よりも、運動のほ うだとする論文が多い。それに、運動は脳血管障害や狭心症などの予防にもつながる。だから、運動は大切なのだ、と自分を納得させることができる。

 ただ、理論武装だけでは心もとない。持続させるためには、とことん楽しんじゃう、遊び心がけっこう大事なんじゃないかと思う。

 一年ほど前、ダイエット特集の本に原稿依頼が来た。ぼくは、そこに鎌田流がんばらないスクワットを紹介した。掲載本が送られてきて、妻のサトさんに叱られた。

 当時、やきとりじいさん体操というのが流行っていた。ユーチューブで50万アクセス以上の反響を呼び、DVD化したりした。このやきとりじいさん体操がメインの本だったのだ。ぼくは刺身のツマ。うまく利用されてしまった。それでもおもしろいから許す。

 妻のサトさんは、やきとりじいさん体操というヘンテコリンな体操の本のなかに、鎌田流がんばらないスクワットが紹介されると、ぼくのがんばらないスクワットも一時的な流行りモノととらえられてしまう、と心配したのである。

 10年後もやきりとじいさん体操が生き残っているかというとたしかに疑問である。しかし、ぼくは、けっこうこの手の遊び心があるものが好き。おもしろそう、やってみようと思うならば、それはそれでいいと思う。

 不景気で社会が暗くなっているとき、やきとりじいさん体操みたいな体操は心に余裕がないとなかなかできない。この体操を朝やってから会社に行ったりすれば、体だけでなく、心のウォーミング・アップにもなるような気がする。

 行動変容を起こすには、できるだけ堅苦しく考えるのではなく、自分に合った手法を選ぶことである。

 やきとりじいさん体操は、ちょっと恥ずかしいという人は、たとえば、毎日の家事だって、工夫次第では立派なエクササイズになる。主婦は家の掃除をしながら、そのなかに運動をどう取り入れるか、想像力が試される。

 買い物に行くときには、前回ちょっと触れたインターバル速歩をしてみるのもいい。外出先のエレベータの中で、だれもいなければ、スクワットをしてみるのもいい。生活のなかに上手に運動を取り入れていくと、けっこう運動のチャンスはある。

 運動プログラムのために30分歩かなければならないとなると、多くの人が挫折してしまう。たとえば、信州では冬になると、寒さや道の凍結で、歩くことが難しくなる。歩くことだけにこだわると無理が生じ、いつの間にか、歩かない理由が出来上がって、持続できない。

 大事なのは、楽しむことと想像力なのだ。

プロフィール
鎌田實さん
鎌田實 かまたみのる
誕生日:1948年6月28日
諏訪中央病院名誉院長
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