元気に安全運転
日本損害保険協会は2002年度に起きた事故について、運転者が65歳以上と65歳未満の場合に分けて分析した。その結果、65歳以上は「出合い頭衝突」の割合が急に増えた。このタイプの事故が起きるのは、注意力が若い年代に比べて下がるからだという。
こうした事故を未然に防ぐため、日本自動車工業会は08年、脳トレで有名な川島隆太・東北大学教授の助言を得て、「交通脳トレ3か月」を作成した。文字ひろいや間違い探しなどのゲームのほか、音読、計算など、1日10分程度でできる設問が3か月分ある。
脳トレの効果には疑問の声もあるが、中山章・同会参与は「ゲームを通じて、安全運転には注意力がとても大事だということを、高齢者に認識してもらえる」と、意義を語る。
同会は「交通安全トレーニング」という実習教材も作った。公道の危険な場所などを高齢者同士がグループで話し合い、自分たちで答えを見つけるという内容だ。同会は交通脳トレと一緒に使うことを勧めている。
岡山県倉敷市の主婦、松井和子さん(59)は今年2月から、この教材を地域住民20人と一緒に使い始めた。「講師が一方的に話す従来の講義と違い、参加者が楽しみながら自発的に取り組んでいる」と、松井さんは効果を語る。
インターネット上にあるゲームソフトなら、一人でも利用できる。日本興亜損保は01年から、同社のホームページ上で桃太郎の鬼退治をモチーフにしたソフト「ももたろうの大冒険」を公開した。画面上のサル、キジ、犬をマウスで操って鬼を攻撃し、ゲームの結果から、注意力やスピード感覚などを3段階で診断して くれる。
同社の広報担当者は「高齢者も含め、ドライバーが自分の安全運転能力を確認するきっかけになれば」と、話している。
(2010年3月4日 読売新聞)


