2010年3月 4日 -- エクササイズ --

好きなことなら続けられる

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 永六輔さんによく言われる。

 「鎌田は、カニもむけない。生卵も割れない。ミカンの皮もむけない」

 どうしようもない不精である。自覚している。こんな不精なぼくでも、どうやって運動を取り入れるかということは、よく考えている。

 いちばんいいのは、好きなことをすること。ぼくはテニスも好きだが、なんといっても今の季節はスキーだ。

 実は、昨年暮れの初滑りのとき、愕然とした。いつもなら、初日から板に乗るという感覚をつかめたのに、今シーズンはなかなかその感覚をつかめなかった。歳かなあ、と思った。それに、年末はおつきあいの外食と執筆が続き、運動不足で筋力が落ちていた。週刊ポストで「食」の連載も始まり、B級グルメを食べ歩いていた。体重も増えた。言いたくないが、80キロ! ぼくのベスト体重は73~74キロ。BMIでは25前後で、ちょうど「ちょい太」になる。「ちょい太」が実は健康にいい体型だというのは、「ちょい太でだいじょうぶ」(集英社)にまとめた。80キロでは、BMI27を超えて、「おお太」になりそう。

 ちょっと焦った。このままでは、大好きなスキーが楽しめない。

 還暦祝いをした。今から2年前の冬だ。ぼくは自分にご褒美のつもりで、ヨーロッパにスキーをしに行った。スイスからイタリアへと、一日約50キロを滑った。ハードで、楽しい、最高の体験だった。

ぼくの健康の目的の一つは、スキーを楽しむこと。ちょっとした時間を見つけては、地元の長野のスキー場で、スキーを謳歌している。

 今の季節は、地元長野のスキー場に、ちょっとした時間を見つけて通っている。新雪の急斜面を一気に滑り降りるのは、なんとも言えない快感だ。こういう快感は、クセになる。

 スキー初滑りで愕然とした日から、ぼくは運動を心がけるようにした。といっても、仕事が忙しく、運動のためにわざわざ時間を割けない。できるだけ効率のいい運動が必要だ。

 そこで、ぼくは、インターバル速歩を実行し、人にもすすめている。30メートルほどの速歩きと、30メートルほどのゆっくり歩きを繰り返すというものだ。速歩きのときには筋力強化をはかり、ゆっくり歩きのときには有酸素運動で心肺系の効果や動脈硬化の予防が期待できる。これを、毎朝、10分ほど続けた。

 下肢の深部筋肉を鍛えるために、スクワットもする。回数は少ないが、ゆっくりと筋肉に負荷をかけるのが、鎌田流がんばらないスクワットだ。ちなみに、90歳以上のお年寄りで社会活動を続けている人たちには、下肢の深部筋肉が強化されている人が多いといわれている。女優の森光子さんがスクワットをしているのは有名な話だ。黒柳徹子さんもやっていると、本人から聞いた。プロスキーヤーの故・三浦敬三さんは、99歳のときにヨーロッパの氷河を滑った。スキーの動作は、スクワットのスタイルに似ている。下肢の深部筋肉の強化につながっている。

 このインターバル速歩とがんばらないスクワットを続けられるのも、スキーの快感を味わいたいためである。これがあるから、ぼくは続けられる。

 しかし、運動習慣のない人は、もともと運動が嫌いという人が多い。実は、そういう人に「運動は楽しいから、その運動を楽しむために日ごろから体を動かそう」と言っても、行動変容にはつながらない。

 次回は、そんな人のために、事例をあげながら行動変容のヒントを紹介したいと思う。

 <かっちゃん>さんへ、コメントありがとう。脊髄の障害の上に慢性呼吸不全、たいへんですね。<かっちゃん>さんの言うとおり、「命は自分だけでなく人様の命を思いやる」ことが大事だと思います。

 <由布岳>さんへ、ぼくも、ぼくを手放した実の父や母を受け入れるのに時間がかかりました。実の父母は望んでぼくを捨てたわけではないと思えるようになりました。急がなくてもいい。お母さんのことをいつか許せるときが来るといいですね。

 <ひよこ>さん、<バージニア>さん、おかげさまでイラクから無事に帰ることができました。

 <紙屋丁稚>さん、お母さんのことを理解できてよかったですね。いちばんわからないのが自分の心、ぼくもその通りだと思います。

プロフィール
写真
鎌田實 かまたみのる
誕生日:1948年6月28日
諏訪中央病院名誉院長
詳しいプロフィールはこちら

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