元気に安全運転
しかし、年をとってくると、ハンドルさばきもしだいに鈍りがちになる。安全運転をするための注意点と心身のトレーニング法を紹介しよう。
交通事故総合分析センター(東京)によると、65歳以上が運転する自動車が原因となった交通事故の死傷者は、増加傾向にある。2001年は2万9208人だったのが、06年は1万人増の3万9018人。交通事故全体の死傷者数が減少しつつあるなか、なぜ高齢者の事故は多いのだろうか。
東京海上日動リスクコンサルティング主席研究員の北村憲康さんは「老化で視覚・聴覚といった身体能力や、安全運転を行うための運転能力などの必要な能力が落ちる」と解説する。順法精神や感情を制御する力なども弱まっていくらしい。
現在の65歳以上の免許保有人口は約1100万人で、全体の14%でしかない。しかし、これからは人口の多い40~64歳の世代が高齢化し、事故はさらに増える危険性が高いという。
北村さんは、高齢者や周囲の家族が本人の身体能力や順法精神などを診断できる30問のチェックシートを作り、著書「安全運転寿命」(星雲社)で紹介している。交通事故の原因を長年調べてきた経験を反映させたものだ。
設問すべてにあてはまると、計25点になる。北村さんは、安全運転を維持できる年齢の上限を日本人の平均寿命などから、75歳に設定。75からあてはまった点数を引くと、その値が自分が安全運転できる年齢を示す。たとえば25点なら、その年齢は50歳だ。
名付けて「安全運転寿命」。北村さんは「実年齢よりも低い数字が出る場合もあるが、自分の状態をチェックする目安として利用してほしい」と話している。
(2010年3月2日 読売新聞)


