冬は野菜で のど元気
焼きネギを手ぬぐいにくるむ村尾宣子さん。ビワの葉をホワイトリカーに漬け、うがい液にしている
空気が乾燥し朝晩冷え込む季節は、のどや鼻の調子が悪くなりやすい。
医師にかかるほどではないが体をいたわりたい時、身近な食品を使う養生法を試してみてはどうだろう。昔ながらの生活の知恵や、薬ぜんの考え方が参考になる。
東京都世田谷区に住む村尾宏さん(54)、宣子さん(54)夫婦はのどの不調を感じると、長ネギの白い部分を5センチほど切って焦げ目が付くぐらいに焼 く。粗熱が取れたら手ぬぐいにくるみ、ネギがのどに当たるようにして首に巻く。昔から伝わる湿布だ。「ネギに含まれる『硫化アリル』という成分を吸い込む ことで、のどの炎症を緩和するようです」と宣子さん。
大根をハチミツに漬けた「大根シロップ」は、少しにおうが、なめるとのどの痛みが和らぐという。消炎作用のあるレンコンのおろし汁を綿棒に浸して鼻の内部に塗ると、鼻づまりが緩和するそうだ。
宏さんは、暮らしの知恵や工夫を伝承するNPO法人「おばあちゃんの知恵袋の会」の理事長。全国の会員から集めた声を「おばあちゃんからの暮らしの知恵」(高橋書店)にまとめた。「病院に行くほどでもない時や、行くまでの間などに、昔ながらのケアが役立ちます。ただ、発熱など症状が重い時は迷わず病院へ」と助言する。
家庭の食品を使う養生法は、見直されているようだ。
東京都西東京市で先月中旬開かれた、のどトラブルに対処する料理教室では、管理栄養士の岡本正子さんが漢方に基づく食養法、薬ぜんの考えを生かし、「ユリ根とギンナンのおかゆ」「里芋とネギのグラタン」などを教えた。
薬ぜんでは、どんな食べ物にも体への働きがあると考える。ユリ根は肺を潤し、ギンナンはせき止め、もち米やネギは体を温め、里芋は血行を促す――などが期待できるそうだ。
「のどや鼻の不調を改善するには、体に水分を与え、体を温める食べ物を意識的にとることが大切です」と岡本さんは話している。
(2010年1月4日 読売新聞)


