2009年11月30日 -- 医療 --

脂肪肝をあなどってはいけない

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鎌田實の見放さない・ブログ 2009年11月25日

時間を見つけては、いい景色を訪ねるのも、カマタの健康の秘訣。紅葉の御射鹿池で写す

 肝臓の病気の多くは、ウイルスが原因している。B型肝炎やC型肝炎のウイルスは、急性肝炎を起こし、やがて慢性肝炎となる。さらに進行して肝硬変、肝がんになるといわれている。

 だから、B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスをもってなければ、「ひと安心」と思っている人も多いに違いない。

 しかし、盲点がある。

 肝臓がんのうち、C型肝炎によるものは約75%、B型肝炎によるものは約10%、ウイルス性肝炎ではない肝がんは、実は約15%もあることが最近わかってきた。

 脂肪肝からも肝がんになることがあるというのだ。糖尿病の患者さんも肝臓がんになりやすいという。糖尿病の患者さん3000人に1人が肝がんになるというデータを、山梨大学医学部内科学教授の榎本信幸氏からお伺いした。東京医科歯科大学のぼくの後輩である。優秀な肝臓の専門家で、若くして国立大学の教授になった。

 アメリカでは肥満が多いので、肝がんの33%が脂肪肝から発生しているという。日本でも食生活が徐々に欧米化しているので、B型肝炎やC型肝炎と同時に、脂肪肝による肝がんを、将来は注意しなければならないことになる。

 では、脂肪肝はどのように肝がんになるのだろうか。

 内臓脂肪がたまるとアディポサイトカインが産生され、徐々に肝細胞を破壊し、脂肪肝炎を起こす。非ウイルス性の慢性肝炎となり、やがて、肝臓の繊維化が広がって肝硬変となり、肝臓がんになっていくという経路が少しずつ判明してきた。

 脂肪肝は「たいしたことない」と言われてきたが、実は注意が必要だ。おそれすぎる必要はないが、検査によるフォローと生活習慣の「行動変容」でリスクを下げることができる。

 脂肪肝を防ぐには、脂質をある程度制限する必要があることはよく知られている。

 盲点となるのは、炭水化物だ。脂肪肝だから脂肪のとりすぎに注意と思うかもしれない。だが、炭水化物が要注意である。炭水化物は肝臓に蓄えられ、脂肪肝を起こしやすい。

 ケーキよりもせんべいのほうが低カロリーだからとボリボリ食べすぎてしまうと、炭水化物のとりすぎになり、脂肪肝のリスクを上げる。

 アルコールの飲みすぎも脂肪肝にはよくない。C型肝炎などがなくても、アルコールを多飲すれば肝がんのリスクが高くなるというデータがある。特に、女性はお酒に対する耐性が弱いので、アルコール多飲が原因で肝臓がんになるリスクが、女性のほうが高いといわれている。

 つまり、脂肪肝そしてその先の肝がんにならないようにするには、脂質に少し注意して、炭水化物のとりすぎにも注意して、アルコールはうんと注意することが大切だ。

 人間ドックで脂肪肝といわれたら、1年に2回ほど血液検査をし、1年に1回はエコー検査を受けることが、肝臓がんの早期発見につながる。脂肪肝で なおかつGOTやGPTの検査がどちらでも70~80以上の軽度上昇するときには、脂肪肝炎を起こしている可能性があるので、要注意である。

 脂肪肝といわれた人は、1~2キロ体重を減らすように、まず運動。そして、甘いものや、ご飯やもち、せんべいなどの炭水化物を少し減らして、脂質を少し減らし、アルコールのコントロールをしっかりすれば、脂肪肝は消えていくことが多い。鎌田理論の『ちょい太でだいじょうぶ』(集英社)を参考に、“おお太”にならないようにしたい。

 脂肪肝は決してあなどってはいけない。だが、打つ手はある。生活習慣をチェンジすることで、健康寿命は延ばせるだろう。

《今週のチェンジ!》
 脂肪肝といわれたら、甘いお菓子やせんべいなど、炭水化物の食べ過ぎに要注意。アルコールはいい・加減で!

参考:YOMIURI ONLINE


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