気になるせき
「せきぜんそく」患者増える
吸入型のステロイド(副腎皮質ホルモン)を服用する瀧澤美絵さん。激しかったせきが、うそのように消えた
東京都大田区の瀧澤美絵さん(44)のせきは2006年暮れから半年ほど続いた。耳鼻科では、風邪と診断され、内科で出た薬を飲むと1週間ほどは治まったが、また始まった。夏になると良くなったが、再び冬が来て、空気が乾燥してくるとせきはぶり返した。
「おなかから何か出てくるのでは、と思うくらい」と声を落とす。特に夜、横になると気道が押される感じがして、症状が悪化。加湿器をかけても、のどあめや熱いショウガ湯も効果がない。のどは痛み、激しいせきによる
昨年11月、インターネットで調べた帝京大病院(東京・板橋)内科教授の大田健さんを受診した。
瀧澤さんの肺のエックス線画像には異常がない。呼吸機能を測定する「スパイロメトリー」検査をしても、肺の機能は低下しておらず、ぜんそくではない。抗菌薬が一時的にしか効かないため、気管支への感染も主因ではないだろう。
そう考えて下した診断は、「せきぜんそく」だ。近年、医師の間で認知度が上がり、患者も増えている。
ぜんそくの前段階と考えられ、ぜんそくで特徴的な「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という呼吸音や呼吸困難はない。多くは風邪に続いて起き、空気の乾燥などをきっかけに、せきの発作が始まるとされる。約3割が、ぜんそくになると考えられている。
治療では、ぜんそくでも使われる吸入型のステロイド(副腎皮質ホルモン)と気管支拡張薬が使われる。瀧澤さんは、薬のおかげで、せきの出ない冬を過ごすことができた。「おなかの筋肉が楽だし、人に気を使わずにすむ」と喜んだ。
大田さんは「スパイロメトリー検査などを行えば、正確な診断ができ、せきぜんそくなら、薬でコントロールできる。原則的には、薬は症状がおさまっても続ける必要があるが、早く治療を始めれば、ぜんそくへの移行を防いだり、薬が不要になる場合もある」としている。
せきは、様々な病気で表れ、素早い対応が必要なものも紛れている。せきが出る病気を紹介する。
(このシリーズは全5回)
【せきぜんそくのポイント】
▽せきが2か月以上続く
▽多くは風邪の後に起きる
▽乾燥した空気や、たばこの煙、飲酒、会話、運動、精神的緊張などで気道が刺激され、発作が始まる
▽せき止めが効かない
▽ぜんそくのような「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という呼吸音と、息苦しさがない
▽夜にせきがひどくなり、寝不足になる
▽たんを伴わないことが多い
▽アレルギーのある人、もしくは女性に多い


