2009年4月 8日 -- 医療 --

筋肉のコリで歯痛、頭痛

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顎関節症

痛みの原因を指で押して調べる和嶋さん(東京・信濃町の慶応大学病院顎関節疾患外来で)

 東京都内の会社員男性Bさん(41)は7年前、食事の際に左奥歯に強い痛みを感じ始めた。虫歯と思い、近所の歯科医院に行ったが、虫歯ではなかった。原因が分からないため、慶応大学病院(東京・信濃町)の(がく)関節疾患外来を紹介された。

 同外来の歯科医、和嶋浩一さんは、口や顔面の痛みを総合的に診る新しい歯科分野「口腔(こうくう)顔面痛」の専門家。痛みの原因がわからない患者が紹介されてくる。

 和嶋さんによると、当時のBさんは、左ほおの筋肉が右側に比べて発達し、大きく硬くこわばっていた。強い食いしばりや、食事の際に左側だけでかむ癖などが疑われた。

 和嶋さんは、ほおの周辺を指で押し、どこを押した時にどこに痛みを感じるかを調べる検査を行い、虫歯のように感じる痛みは、左ほおの筋肉の障害によるものと診断した。

 「痛む場所に原因があるとは限らない。ほおの筋肉のこりや肩こりが、歯や歯肉の痛み、頭痛など、別の場所の痛みとして表れることがある」と説明する。

 顔面や頭部の神経系は複雑だ。目の上、上あご、下あごの3か所に分布する三叉(さんさ)神経は、中枢神経に入って一緒になり、そこに首の神経も合流する。合流した神経が様々な刺激で過敏になると、障害のある部位と別の場所に痛みを感じる混乱が起きやすいという。

 東京都内の不動産会社で秘書を務めるC子さん(40)も原因不明の歯肉の痛みで、歯科医院から昨年6月に和嶋さんを紹介された。

 3年前から首の痛みや頭痛もあり、会社を1か月休んだこともあった。和嶋さんは、仕事の話や触診などから、緊張による食いしばりや肩こりによる筋肉の障害が、様々な痛みの原因と診断した。

 この二人の場合、あごの関節自体は異常がなかった。治療の基本は、原因を理解して、ふだんからリラックスを心がけ、筋肉の緊張を減らすこと。

 Bさんは、片側でかむのをやめ、時々、口を開けてリラックスするなどの生活指導と痛み止めで一度治った。歯ぎしりがひどくなり、あごの関節も痛み出した2年後からは、歯ぎしり対策のマウスピースを使うことで痛みから解放された。C子さんも、仕事中の食いしばりに注意するようにし、症状は改善している。

 和嶋さんは「性格や仕事の性質なども影響し、完治は難しいが、習慣を改めることで良くなる」と話す。

2009年3月31日  読売新聞)

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