(2)トマト 吸収しやすく
トマトなどの研究を重ねる稲熊隆博さん
野菜ジュースと聞いて、真っ先に思い浮かぶのがトマトジュース。1933年に日本で初めて発売したカゴメ(本社・名古屋市)は、約7500ものトマトの品種を保有し、栃木県那須塩原市にある総合研究所で品種改良を重ねる一方、健康に関する研究成果を次々と明らかにしている。
稲熊隆博バイオジェニックス研究部長が特に目をつけているのが、トマトに含まれている、「リコピン」という赤い色素。小腸から吸収、肝臓に蓄積されるほか、血液に乗って体内を循環する。肌の老化を進める活性酸素を除去する効果のほか、最近は、シワの予防や美白効果が期待できることが分かってきた。
リコピンには、紫外線の害を抑える効果もあるという。1日16ミリ・グラム摂取すると予防作用があるという米国での報告があり、これは160グラム入りトマトジュース1本分に相当する量だ。市販ジュースの中には、栄養成分表示でリコピンの含有量を明示している商品もあり、参考にしたい。
稲熊部長らは、トマトジュースを飲むことで気管支ぜんそくの症状に改善が見られたり、運動後の疲労が軽減したりするなどの効用についても研究発表している。老化による骨密度の低下を抑制する効果や、妊娠中から継続的に飲むと、母乳中のリコピンなどの成分の濃度が高まることを確認。赤ちゃんを紫外線の影響から守る効果などが期待される。
リコピンは、トマトを生で食べるより、ジュースなどに加工した方が吸収されやすくなる。他の飲み物と一緒に飲むことで吸収性がさらに高まることもある。例えば牛乳と飲めば、リコピンなどの吸収性がトマトジュースだけ飲むより約3倍になる。オリーブ油を混ぜる飲み方もある。



