2009年3月 7日 -- 医療 --

副腎の異常で肥満に

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ホルモンの病気

「階段を上るのも苦ではなくなった」と話す北島俊子さん(東京医科歯科大病院前で)

 足が象のようにむくみ、首も太くなった。久しぶりに会った親類には「なぜ、そんなにむくんだ顔をしているの」と言われた。

 2005年、千葉県の主婦、北島俊子さん(72)は、急激な肥満に悩まされていた。身長157センチに対し、00年に60キロ・グラムだった体重は、78キロ・グラムまで増えていた。やせるために運動をしようにも、5分ほど歩くと息が上がる。もともと高かった血圧はさらに上がり、薬の量も増えた。

 知人の紹介で、東京医科歯科大病院(東京・御茶ノ水)を受診。血圧だけでなく、血糖値や中性脂肪の値も高く、「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」の状態だった。息切れや動悸(どうき)もひどく、心不全を招いていた。

 北島さんは心臓への負担を和らげる薬を飲み始めると同時に、食事の量を減らすなどダイエットを試みたが、体重はどうしても減らなかった。

 06年、改めて全身を精密検査することになり、コンピューター断層撮影法(CT)を受けたところ、右側の副腎に3センチの腫瘍(しゅよう)が見つかった。

 副腎は左右二つの腎臓の上にある臓器で、主に6種類のホルモンを分泌している。北島さんは腫瘍のせいで、副腎皮質ホルモンの一つであるコルチゾールが過剰に出てしまっていた。

 コルチゾールには血糖や血圧、コレステロールの値を上げる働きがある。これが過剰になるとメタボのような症状を引き起こす。「クッシング症候群」と呼ばれる病気だ。

 北島さんは07年4月、右の副腎を取る手術を受けた。副腎は二つあるのでひとつを取っても支障はない。約2週間後に退院。薬を飲んでも基準値の140を下回らなかった血圧は下がり、薬を飲む必要がなくなった。血糖値も低下した。

 体重は手術後2年弱で、20キロ・グラム減った。体調管理のため、毎日30分ほど歩いているが「以前のように息切れすることはありません」と北島さんは喜ぶ。

 同大内分泌・代謝内科教授の平田結喜緒(ゆきお)さんは「メタボと言われた人の中には、クッシング症候群の患者がかなり紛れ込んでいる可能性がある」と指摘する。

 クッシング症候群 新たに発病する患者は年間約1300人と推定され、女性が男性の約4倍で、中高年に多い。主な症状は〈1〉高血圧〈2〉糖尿病〈3〉脂質異常〈4〉体重増加〈5〉骨粗しょう症〈6〉首の付け根の脂肪こぶ〈7〉顔面が丸くなる〈8〉皮膚が薄く、出血しやすいなど。

2009年2月27日  読売新聞)

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