2009年3月 3日 -- 医療 --

高コレステロール招く

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ホルモンの病気

主治医の小澤安則さんに症状を話す橋本病のA子さん(虎の門小澤クリニックで)

 2003年に職場の健康診断でコレステロール値がやや高いと指摘された、東京都の会社員A子さん(57)。食事を野菜中心に変え、間食も一切やめたものの、検査の数値は年々悪くなる一方だった。06年7月、職場に近い虎の門小澤クリニック(東京・西新橋)を受診した時には、悪玉コレステロール(LDL)値は280(基準値140未満)もあった。

 悪玉コレステロールの上昇を招く原因としては、肉類など栄養の取りすぎや運動不足などがよく知られている。これに加え、同クリニック院長の小澤安則さんは、「甲状腺ホルモンが関係している可能性があります」とA子さんに説明した。

 ホルモンは、脳、くびの前側にある甲状腺、腎臓の上にある副腎、膵臓(すいぞう)などから分泌され、体の様々な臓器の働きを促進したり抑えたりする物質だ。このうち甲状腺から分泌されるホルモンには、体の新陳代謝を活発にする働きがある。

 甲状腺の病気の患者は500万人とも言われ、女性に多い。小澤さんは、A子さんののど周辺の腫れや、A子さんが日頃から疲れやすさを訴え、フラメンコ演奏の大音響の下でも居眠りした経験があるなどの話から、甲状腺ホルモンが不足する橋本病を疑った。

 橋本病では、肝臓などへのコレステロールの取り込みが悪くなり、血中コレステロール値が上昇する。疲れやすさや眠気も特徴だ。A子さんは血液検査の結果、甲状腺ホルモンの不足がわかり、橋本病と診断された。

 治療は、甲状腺ホルモンを補う飲み薬を毎日飲む。A子さんも治療を始めるとLDLは120に下がり、体調も良くなった。薬は、やめると元に戻る恐れがあり、今も飲み続けている。

 ホルモンの病気が専門である小澤さんは、「橋本病は加齢に伴う症状と似ているため、診断が遅れることがある。患者は症状を積極的に医師に伝えてほしい。コレステロールの高い人は一度は血液検査で甲状腺ホルモンのチェックを」と話している。

 橋本病 甲状腺機能が低下し、ホルモンの分泌が減少する。原因は不明。〈1〉甲状腺の腫れ〈2〉コレステロー ル値の上昇〈3〉全身のむくみ〈4〉疲れやすい〈5〉こむら返りなど筋肉のつり〈6〉寒がり〈7〉皮膚の乾燥などの症状が出る。女性が男性の10倍多く、年齢とともに増える。

2009年2月23日  読売新聞)

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