出血…5~10分 圧迫して止血
応急手当て
「こうやって圧迫するの」と松崎君に示す竹内さん
昨年10月の中間テスト最終日、東京都荒川区立第一中学校の3年生・松崎
ひざを押さえてうずくまると、血が制服ににじみ、ズボンのすそからも流れ出ている。
近くの教室から駆けつけた教諭は、ズボンの上から傷口をタオルで強く圧迫。養護教諭の竹内恵子さんと男子生徒4人で、足の傷口を心臓よりも上にした状態で保健室へ搬送した。竹内さんが確かめると、傷は長さ5センチほどで血はほとんど止まっていた。
料理中に包丁で指を切ったり、手足などをスパッと切ったりした時は、ハンカチやタオルで傷口を圧迫する「圧迫止血法」が基本だ。血液には、出血すると固まる性質があるが、傷口に血液がどんどん押し寄せると、固まりかけたものも押し流してしまう。圧迫により血管を細くすれば、固まりやすくなる。また、患部を心臓より高くすると血流を抑えられる。
適切な応急手当てを受けた松崎君は、三角きんで傷口を強く巻いてタクシーで近くの病院へ。傷を洗浄してから三十数針を縫って帰宅。2か月後には体育の授業に復帰した。同校では、教員の多くが区主催の救命講習で圧迫止血法を学んでいたほか、竹内さんも校内の壁新聞などで基本を紹介していた。
杏林大学(東京都三鷹市)救急医学講師・山田賢治さんによると、圧迫止血法のポイントは、タオルなどで、5分から10分ぐらい、しっかりと傷口を押さえること。血が止まったら、傷口を見て、大きく開いている場合は医療機関へ。さほどでなければ、流水で汚れをていねいに洗い流し、傷の周囲を消毒し、包帯や
10分程度圧迫しても血が止まらない場合は、太い静脈や動脈が切れている可能性があり、医療機関の受診が必要だ。感染予防のため、傷口には乾いた清潔な布、救助する側も血液に直接触れないよう注意するのが望ましい。ゴム手袋があれば最適だが、ビニールを一枚隔てるだけでもいい。
荒川一中では来月、3年生対象の救命講習を予定している。松崎君も「救命法をきちんと覚えたい」と意欲的だ。
血がにじむ程度の切り傷・擦り傷 傷口を流水で洗う。以前、傷口は乾燥させた方が良いとされたが、傷口から出る体液には傷を治す成分が含まれているので、防水タイプの絆創膏などで傷口を覆う。


