甘みとつきあう
(1)砂糖は脳のエネルギー源
「甘いものは太る」と敬遠されがちだが、体内では重要な役割を担っている。このシリーズでは甘みとの上手なつきあい方を探る。まずは、砂糖の働きから。
紀元前の古代インドで最初に作られたとされる砂糖の語源は、サンスクリット語でサトウキビを意味する「Sarkara(サルカラ)」。日本には奈良時代に中国から伝わったというが、庶民に行き渡るようになったのは明治期のことだ。
ご飯やパンと同じ「糖質(炭水化物)」の仲間で、エネルギー量はご飯やパンの主成分デンプンと同じ、1グラムあたり約4キロ・カロリー。砂糖は太るというのは誤解なのだ。
では、他の糖質とどう違うのか。
上白糖も三温糖も、ご飯やパン、パスタなどと同じ糖質
「食べるとすぐエネルギーとして利用できることです」と、野村正彦・埼玉医科大国際交流センター長(神経生理学)が教えてくれた。
糖質を体内でエネルギーにするには、分子1個ずつに分解する必要がある。砂糖はブドウ糖と果糖が1個ずつ結合しただけなので、食べると数十秒で分解され、血管を通って全身に運ばれる。これに対してデンプンは、何万個もの分子が結合しており、分解するのに時間がかかるという。
砂糖が分解してできるブドウ糖は、脳の唯一のエネルギー源だ。筋肉や他の臓器は脂肪やたんぱく質もエネルギーとして使い、余ったブドウ糖は肝臓などに蓄えられるが、脳はほとんど蓄えられない。
「生命維持や記憶など高度な役割を担い、どの臓器よりも多くのエネルギーが必要な脳にとって、砂糖は即座に役立つすぐれもの」と野村さん。受験勉強や仕事で疲れた時、砂糖入りのコーヒーや1粒のチョコレートが、脳をすぐに活性化させてくれるという。


