2008年10月 5日 -- 糖尿病 --

病院の実力 糖尿病治療

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[Q&A]副作用の少ない新薬も

門脇孝(かどわき たかし)日本糖尿病学会・理事長 東京大学糖尿病・代謝内科教授 1978年、東京大学医学部卒。2003年から現職。2008年、日本糖尿病学会理事長に就任。

 治療・研究の最前線について、日本糖尿病学会理事長の門脇孝さんに聞きました。

 ――糖尿病は、どんな原因で起きるのですか。

 糖尿病には主に1型と2型の二つのタイプがあります。膵臓(すいぞう)がインスリンホルモンを分泌する働きを失ってしまうのが1型です。注射によるインスリン補充が必要になります。

 2型は遺伝的な要因に、過食や運動不足、肥満などの生活習慣の乱れが加わって発症します。日本人患者の約90%以上を占めます。

 ――糖尿病患者が増えているのはなぜですか。

 国の調査によると日本人の糖尿病患者数は820万人、予備軍を含めると1870万人で、4年前の調査に比べて250万人増えています。

 日本人は、血糖値を下げる膵臓からのインスリンホルモン分泌量が、欧米人の半分ほどしかありません。食生活が肉食を中心とした欧米型に変わっても、もともとの体質は変わりませんから、糖尿病になりやすいのです。アジアの発展途上国でも同様に糖尿病の増加が問題になっています。

 ――糖尿病が怖いのは、合併症のせいだと聞きます。

 主な失明原因である網膜症、毎年1万5000人が人工透析が必要になる腎症、足の壊疽(えそ)を招く原因になる神経障害が、3大合併症です。また、脳卒中や心臓病を起こしやすくなり、糖尿病に高血圧や肥満などが加わると危険性が高まります。

 ――予防のために気を付けたいことは何ですか。

 食べすぎや肥満、運動不足は、インスリンを効きにくくさせますので、こういった生活習慣の改善が第一です。健康診断で肥満を指摘された人は、今よりもまず体重を3キロ、ウエストを3センチ減らすことを目指しましょう。

 ――新しい治療法の研究は進んでいますか。

 血糖値に加え、血圧、脂質の三つすべてを良好に保つことで、脳卒中や心臓病の発症がどれだけ減らせるのかを調べる大規模研究が、国内85施設、3000人(予定)の糖尿病患者さんの協力を得て、2013年をゴールに始まっています。

 現在の治療薬は、血糖値を必要以上に下げてしまう低血糖の心配や、肥満を招きやすいなどの難点があります。欧米では最近、こういった副作用の起きにくい新薬が登場しました。日本でもすでに承認申請が終わったものもあります。これからの糖尿病治療は、一人ひとりの患者の状態に応じた最適な治療法の選択が重要で、選択の幅が広がることが期待されています。(田村良彦)

 (来週は「シリーズこころ・今時うつ病事情」)

2008年9月26日  読売新聞)

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