リンパ浮腫
保険適用 がん手術後だけ
電話相談を受ける「あすなろ会」の森さん(大阪府泉佐野市の自宅で)
大阪府泉佐野市の森洋子さん(59)は小学生のころから右足が左足より少し太いことに気づいていた。「足の血管の問題だと思うが、命に別条はありません」と医師に言われていた。
ところが、13年前に突然、右足が炎症を起こして腫れ上がった。入院した病院でリンパ浮腫だと初めてわかった。手や足にリンパ液がたまってむくみ、多くはがんの手術後に起きる。森さんの場合は生まれつきリンパ管の流れが悪い「原発性リンパ浮腫」だった。
インターネットで情報を集めると、適切な診療ができる施設が少ないことがわかった。ネットで知り合った患者仲間と8年前に「あすなろ会」を結成した。
患者の悩みの一つが、治療費がかさむことだ。むくみを抑えるには、圧迫力のあるストッキングやスリーブ(袖)を日常的につける必要があるが、保険適用になっていなかった。ストッキングだと1枚1万円~2万5000円と高額で、数か月すると伸びるので交換が必要になる。森さんたちは会の結成直後から、保険適用を国に働きかけてきた。
今年4月、念願の保険適用が実現したが、子宮・卵巣、前立腺、乳がんなどの手術でリンパ節を取った後のリンパ浮腫に限定された。
リンパ浮腫は、森さんのような「原発性」や、交通事故などのけが、がんの放射線治療後にも発症することがある。「あすなろ会」の会員928人のうち、85人はがん手術以外が原因だ。「同じ治療が必要なのに、発病の原因で分けるのは納得がいかない」という。
別の患者会で、7年前から保険適用を求めて署名活動を続けてきた「リンパの会」の金井弘子さん(63)も「すべてのリンパ浮腫患者が対象になるよう働きかけたい」と話す。
また、リンパ浮腫の治療には、手足にたまったリンパ液を体に戻すマッサージや弾性包帯を巻いて圧迫した上での運動療法、スキンケアなどを合わせた「複合的理学療法」が有効だが、保険適用になっていない。
マッサージなどの治療にかかる費用は、施設や時間によって違うが1回5000円~1万数千円かかる上、施設が少ない。リンパ浮腫に詳しい松尾循環器科クリニック(大阪市)院長の松尾
患者会
・「あすなろ会」大阪0724・69・4190(月水金10~16時、21時以降)東京03・5284・6072(月~金20~22時)※いずれも祝日を除く
・「リンパの会」03・3207・0635(火金13~16時)


