2008年9月24日 -- 医療 --

リンパ浮腫(ふしゅ)

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ストッキング合わず悪化

たまったリンパ液を健康なリンパ管に誘導するマッサージを受けるA子さん(東京・大森の後藤学園付属マッサージ治療室で)

 がんの手術などでリンパ管が傷ついて、手や足がむくむリンパ浮腫。むくみを抑えるためには日常的に圧迫力の強い医療用のストッキングやスリーブ(袖)などを身に着ける必要がある。ストッキングは1枚1万~2万5000円、腕用のスリーブは1枚6000~1万6000円程度。着用を続けると伸びて圧迫力がなくなるので、数か月に1回は交換が必要だ。

 今年4月から、乳がんや子宮・卵巣がん、前立腺がんなどの手術後にリンパ浮腫を発症した場合、ストッキングやスリーブなどに保険が適用されるようになった。医師が書いた指示書と領収書を健康保険組合(国民健康保険の場合は居住地の市区町村)に提出すると、自己負担分をのぞく費用が現金で還付される。

 リンパ浮腫への認知が広まり、治療が受けやすくなった。だが、誤ったストッキングを使用し、かえって悪化する例も増えている。

 埼玉県の主婦A子さん(70)もその一人。4年前、子宮がんの手術を受け、数か月後から右足が太くなり始めた。昨年暮れから通い始めたがんの専門病院で、医師に指示書を書いてもらい、治療用ストッキングを購入した。

 はいているうちにストッキングの端が太ももに食い込み、足が「れんこんのように」(A子さん)変形した。むくみはおなかにも広がり始めた。

 「このままではかえってひどくなる」と、危機感を持ったA子さん。リンパ浮腫を専門的に治療する後藤学園付属マッサージ治療室(東京・大森)を本で知り、通い始めた。初診の説明で、購入したストッキングの形が適切でなかったことが初めてわかった。

 A子さんのはいていたストッキングは、太ももまでのものだったが、本来のリンパ浮腫治療のストッキングは足から腹部まで連続する形が基本。太もも までのものだと途中でリンパ液の流れが止まり、足のむくみが改善されないばかりか、腹部や外陰部にむくみが広がることもあるという。

 まず、たまったリンパ液を減らすマッサージや、包帯を巻いて患部を圧迫する治療を受け、ある程度足を細くしてから、適切なサイズと圧迫力のストッキングを選ぶことになった。

 同学園付属リンパ浮腫研究所長の佐藤佳代子さんによると、足の静脈(りゅう)など別の病気の治療用ストッキングを使用し、悪化する患者も増えている。「保険適用をきっかけに、知識が広まり、全国の医療機関で適切な処方が受けられることを願っています」と話す。

2008年9月15日  読売新聞)

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