2008年8月11日 -- 病気の予防 --

暑さに克(か)つ

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(1)熱を逃し、発汗に気配り

30度を超える真夏日は、日傘の花が開く(7月28日、東京都品川区で)

 一年の中で最も「真夏日」(気温30度以上)の多い季節を迎えた。行楽に出かけるにも熱中症対策が必要だ。

 熱中症は、熱失神、熱けいれんや熱射病など暑さを原因とする疾患の総称をいう。人は通常、自律神経の働きによって、末梢(まっしょう)血管を拡張させて皮膚に流れる血液を多くしたり、発汗させたりすることで、体内にたまった熱を逃がし体温を調節している。

 ところが、長時間にわたって、高温の環境に置かれると、放熱のため皮膚に集まった血液の流れが悪くなり、赤くほてった状態が続く。脳や腎臓など内臓に血液が行き届かなくなり、機能不全を引き起こす。過剰な発汗による脱水症状や塩分の喪失も加わり、立ちくらみ、筋肉のこむら返りが起きる。これが熱中症だ。

 「予防には正しく熱を逃がし、発汗を促す気配りが必要」と昭和大学医学部教授の有賀徹さん(救急医学)は話す。

 熱を逃がすには、体にまとわりついた空気を取り除く工夫が必要だ。風通しのいい涼しい場所への移動、日傘を使って日陰をつくる、通気性がよい服装にも注意を払いたい。氷を当てるのもよい。

 発汗を促す水分補給には、水分と同時に塩分補給をするのが重要なポイント。500ccの水に対し、1~1・5グラムの食塩や市販の塩化ナトリウム錠剤を使うのが理想的だ。

 これらの方法は、軽度の熱中症(1度)を発症した際にも有効だが、「頭痛や吐き気の症状が出る2度以上の熱中症では、医療機関で治療を受けた方が良い」と有賀さん。京都女子大家政学部教授の中井誠一さん(運動生理学)は「急に暑い場所で活動するのは体に負担がかかる。特に、高齢者は早朝など涼しい時間帯で散歩を始めるなど暑さに慣れることを心掛けてほしい」と話している。

 症 状対処法
【1度】・立ちくらみなどのめまい、失神
・筋肉痛、筋肉の硬直
・大量の発汗
涼しい場所に移動して風をあてたり、水分を補給する
【2度】・頭痛、気分の不快、吐き気やおう吐、虚脱感など医療機関へ搬送して治療
【3度】・意識障害、けいれん、手足の運動障害
・高体温

2008年8月6日 読売新聞

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