2008年8月 8日 -- 高血圧 --

家庭血圧

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測定習慣で健康意識向上

家庭血圧研究の参加者を募る住民説明会には、多くの高齢者らが集まる(岩手県花巻市大迫町で)

 「それでは、練習で一度測ってみましょうか」。保健師の説明を聞くのもそこそこに、公民館の広間を埋めたお年寄りらは、慣れた手つきで一斉に血圧計の帯を腕に巻き付け始めた。

 岩手県のほぼ中心に位置する花巻市大迫(おおはさま)町(2006年に旧大迫町が合併)。保健センターと東北大学(仙台市)との共同研究として、22年前から、住民に家庭用血圧計を貸し出して血圧の自己測定に取り組んでいる。

 300台の家庭用血圧計を用意。地域ごとに冒頭のような説明会を開いて参加者を募り、1か月間、自宅に血圧計を持ち帰って毎日朝晩に測ってもらう。データは大学の研究と住民の健康管理に役立てるのが狙いだ。

 貸し出し期間は1か月だが、毎日測るのが習慣になった住民の多くが、自前で血圧計を購入している。人口約6400人、1900世帯の9割以上に今では家庭用血圧計があるのではという。

 同町の主婦菊地セツさん(76)もそんな一人。保育士の仕事をしていた50歳代ごろから健診で高血圧と言われ薬を飲んでいるが、研究に参加したのがきっかけで、毎日、自分で血圧を測るようになった。結果は寝る前に日記につける。時々読み返しては、「あの時高かったのは、暴飲暴食が過ぎたせいかしら」と、生活の反省材料にするという。

 毎日2回、町の健康教室で教わったストレッチ運動を欠かさない。おかげで体調も良好。「80歳代になっても元気で頑張りたい」と、一昨年には、2冊目になる10年日記帳を新調した。

 寒冷な気候に加え、塩分摂取の多さなどから脳卒中の多発地域だったこの地方。保健師の浅沼裕子さん(61)は、「脳卒中で倒れることをこちらの方言で『当たる』と言い、特に高齢者は『当たりたくない』をしょっちゅう口にする」と話す。

 同町の35歳以上の高血圧患者は1998年に比べ男性で31%から26%、女性で26%から22%へ減少。脳卒中を起こしたことがある人は男性4・2%から3・7%、女性2%から1・4%へといずれも減った。

 浅沼さんによると、減塩をはじめとした食事や運動の勧めを健診の際に行う以外は、特別変わった指導はしていない。ダイエット法にも毎日体重や食べた物を記録するだけの方法があるように、「血圧も自分で測って記録するだけで、健康意識を高める効果があるのかもしれません」と、浅沼さんは話している。

2008年7月30日 読売新聞

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