2008年5月 5日 -- 心筋梗塞 --

心臓カテーテル 「年100件」が目安

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再発予防の取り組みも重要

 心臓病の死亡者数は年間約17万人。高齢化や動物脂肪の多い欧米型の食生活の普及、運動不足などのため、この40年間で2倍以上になった。日本の3大死因の一つで、がんに次いで2番目に多い。

 心臓病のうち、心臓の筋肉(心筋)に栄養や酸素を送る冠動脈が狭くなって胸痛を繰り返す「狭心症」と、血管が詰まって、心筋の一部が壊死(えし)する「心筋梗塞(こうそく)」は「虚血性心疾患」と総称され、突然死の原因となる。

 これらの病気に対する治療の中心は、「心臓カテーテル治療」だ。経皮的冠動脈形成術(PCI)とも言われる。

 足の付け根や手首の動脈に直径2ミリほどの細い管(カテーテル)を入れ、患部までスルスルと到達させる。管の先に付けた風船を膨らませ、その後に、ステントと呼ばれる特殊な金網状の筒を患部に置く。

 全国の医療機関は、この治療の年間件数を都道府県の社会保険事務局に届け出て、病院の玄関などに件数を表示することになっている。読売新聞は原則、昨年7月時点までの届け出を基に、2006年1年間の治療実績をまとめた。紙面の都合上、年間300件以上の医療機関198施設を一覧にした。

 動脈硬化を起こし、もろくなった細い血管を治す必要があるので出血の危険性があり、医療機関には高度な技術が求められる。

 安定した成績を残すためには、「年間100件以上」の治療をこなす必要があると、専門医の間で言われる。この目安を満たす医療機関は、2006年は721施設で、前年より24施設、前々年より45施設増えた。

 治療施設数の増加には医療器具の進歩がある。

 ステントを置いた後に、血管が再び狭くなる「再狭窄(さいきょうさく)」が大きな課題だった。再狭窄率が高い糖尿病患者らには、ステント治療ではなく、胸を開き、再狭窄した部分を迂回(うかい)する血管を移植する「バイパス手術」が行われることが多かった。

 しかし、2004年、再狭窄を抑える薬が塗ってある「薬剤溶出ステント」が登場。バイパス手術が減り、心臓カテーテル治療を行う施設が増えている。

 全国で2番目に治療件数が多い新東京病院(千葉県松戸市)心臓血管センター長の中村淳(すなお)さんは「治療件数は病院選びの一つの指標だが、それがすべてではない」と指摘する。

 重要な視点として、〈1〉治療法は複数あるので、外科医も含め複数の医師に意見を聞いてみる〈2〉治療後の再発予防対策の生活指導などに熱心な病院を選ぶ――ことなどを挙げる。

 また、カテーテル治療を行う循環器内科、バイパス手術を担当する心臓血管外科がともに経験豊富な病院こそ、実力病院と言える。バイパスなど手術の実績については次回の「病院の実力」で紹介する。(坂上博)

主な医療機関の心臓カテーテル治療件数

地域別リスト  各地域をクリックするとそれぞれの地域の医療機関を表示します。

(2008年3月30日 読売新聞)

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