2008年5月 3日 -- 医療 --

耳鳴りに悩んでいます。

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 ◆耳鳴りに悩んでいます。

 ◇治すより付き合う--生活術で症状軽減

 ◇近い周波数の雑音流す、就寝時はラジオや音楽、規則正しい食事や睡眠

 耳鳴りは外から音が入っていないのに、「ジージー」や「キーン」といった音が聞こえる状態をいう。耳に入った音が中耳、内耳、聴神経(蝸牛(かぎゅう)神経)=イラスト参照=を経て、脳に伝わる経路のどこかに異常があるのだが、詳しい原因は分かっていない。

 音を感じる内耳の感覚細胞の働きは年齢とともに衰える。老化現象の一つだ。

 耳鳴りが気になれば、まず耳鼻科を受診して、中耳炎や突発性難聴、メニエール病などの病気かどうかを調べてもらう必要がある。

 こうした病気でなければ、通常の耳鳴りといえる。「めまい・耳鳴り」(保健同人社)の著書のある馬場俊吉・日本医科大学千葉北総病院副院長(耳鼻咽喉(いんこう)科)は「残念ながら、耳鳴りを治す確実な治療法はない。しかし、気にならない程度に症状を軽くする方法はある」と話す。

 ■マスカー療法

 耳鳴りに悩む人が日常で経験するように、滝や渓流、波の音などを聞くと、耳鳴りを感じなくなることがある。耳鳴りに近い周波数の雑音を聞くと、耳鳴りが一時的に消える効果があるためだ。これを利用したのがマスカー療法で、診察時に耳鳴りよりやや大きい、いろいろな雑音を患者に聞いてもらい、どの音が効果的かを選んでもらう。

 患者は苦痛にならない安定した音をテープかCDに吹き込み、職場や自宅で聞くことになる。馬場さんは「半分程度の人は症状が軽くなる」と話す。

 ■TRT療法

 マスカー療法のような音の療法に心理療法を組み合わせた方法(TRT療法)もある。

 臨床カウンセラーが「耳鳴りは怖い病気ではない」ことを患者に説明し、患者の心の状態を、耳鳴りが気にならないようにもっていく方法だ。馬場さんは「耳鳴りより小さく、心地よい音を聞かせることで、患者が耳鳴りは安心して聞ける音だという意識を持つことができるようになれば成功だ」と話す。

 ただし、こうした療法でも耳鳴り自体が治るわけではない。

 耳鳴りは仕事中や趣味に没頭している時には気にならない。他に物音がしない就寝時に、気になりやすい。馬場さんは「昼間は好きなことをやる。夜に寝る時はタイマーをセットして、好きな音楽やラジオを聞きながら寝るのも効果的だ」と話す。

 耳鳴りが気にならないような生活術を自分なりに身につけることが大事だという。

 ■ステロイド注入

 耳にステロイド剤を注射器で注入する方法もある。

 開発した坂田英治・埼玉医科大学名誉教授は「耳鳴りを治す本」(マキノ出版)でこの療法を解説している。海外では注目されているものの、日本では健康保険の適用になっていないため、あまり普及していない。

 ■ビタミン摂取

 耳鳴りは過労などによる疲れ、不眠、不安、ストレスなどでも生じる。食生活や睡眠のリズムが不規則になれば自律神経などの働きが乱れ、耳鳴りが悪化する。こうしたストレスがある場合は、安定した精神状態が必要なため、抗不安薬や抗うつ薬を使うこともある。

 坂田さんは「神経の働きによいビタミンB群やビタミンCに富む食品を取ることも心がけたい」と話す。アサリ、スジコ、レバー、豚肉、ソバ、ゴマ、大豆、干しシイタケなどはビタミンB群を豊富に含んでいる。

 内耳などの血液循環を悪くする喫煙はやめた方がよい。【小島正美】

毎日新聞 2008年5月2日 東京朝刊

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