2008年4月21日 -- エクササイズ --

登山 楽しみ作り長続き

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帳面に登頂の「判」 景色の変化楽しむ

 健康づくりに不可欠な運動も、継続するのはなかなか難しい。東京郊外の高尾山(東京都八王子市、599メートル)に「健康登山」に取り組むすごい人たちがいると聞いて、秘密を探りに訪ねてみた。(鈴木敦秋)

 早朝の高尾山は“中高年銀座”のようだ。展望がよいコース、沢づたいのコースなど六つのルート(上り所要時間50~100分)を自由に選び、それぞれに山頂を目指す。肩で息をする人がいれば、スイスイと足を進める人の姿もある。

 人気の秘密は、山頂近くの薬王院で判を押してもらう登山証明の帳面「高尾山健康登山の証」だという。判が21個たまると「満行」となり、薬王院の壁にある満行者名一覧に名札が掲示される。軽い精進料理も振る舞われる。帳面の厳かな装丁も、登山者の「やる気」を出させるのに一役買っているようだ。

 「健康登山の証」は1999年に始まり、先月までに参加者は7000人を突破。その4分の3が60歳以上、4人に1人は70歳以上で、最高齢は96歳の男性。100冊満行の人を筆頭に、70冊以上が8人もいる。

 登山がウオーキングよりはるかに効率的な有酸素運動で、肥満や生活習慣病の改善に効果があることはよく知られているが、継続できる秘訣(ひけつ)は何なのだろう。

 八王子市の島根静江さん(70)は、昨年9月から1日も欠かさず、高尾山に通う1人。午前7時、登山口に到着。薬王院で一服して午前8時には下山する。作家の深田久弥氏(故人)が挙げた「日本百名山」を踏破したアルピニストだが、「高尾山は健康づくりにちょうどよい。おかげで風邪ひとつ引きません し、体調を崩しても回復が早いんです」と意気盛んだ。

 「健康登山の証」だけではなく、「秋は赤いキノコのタマゴダケ、春はランの一種、紫のムヨウランなど季節ごと、日ごとに変わる景観」が楽しめることも長続きの理由らしい。島根さんは、山道で苦しそうにしている登山者に、「歩き始めから急がない」「息は鼻から吸って」など気さくに声をかけることも忘れない。

 夫婦で百名山を踏破した経験がある埼玉県加須市の小児科医、角田朋司さん(71)は、高尾山など軽登山の効用を別の角度から話してくれた。

 「足を持ち上げて歩く登山は背骨と大腿(だいたい)骨をつなぐ大腰筋を鍛えます。これにより高齢者は足が上がりやすく、つまずきにくくなります。また、無理のない軽登山は、つらい思いをせずに体力をつけ、歩くための機能や能力を残していくのにも役立ちます」

 こうした効果が実感できるから、健康登山人気が続いているのだろう。57歳から登山を始めた角田さんは、「少量ずつ荷物を負担しあったり、お互いをカバーしあえたりする夫婦向きのスポーツですよ」とも付け加えた。このほか、登山を楽しみ、継続するコツとして、「目標を設定したり、登山と登山の合間にウオーキングなどで基礎トレーニングを積んでおくことなどがポイント」という。

2007年11月18日 読売新聞

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