2008年4月 9日 -- エクササイズ --

ゆっくり、ピラティス 動き滑らか、中高年に人気

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 ◇エクササイズからリハビリまで

 しなやかな身体を作るエクササイズとして若い女性に人気のピラティス。このごろは中高年男性の健康改善やリハビリ運動として注目されている。運動が苦手でも、歩けなくてもできるというピラティスの効果とは?【佐藤由紀】

 「息を吸ってー、吐いてー」

 大阪市で開講中のピラティス教室。受講生は、講師の桜井恵美さん(44)の指示で脚や腰を伸ばす。受講生の女性(69)は、背骨がゆがみ、整形外科で治療を受けているが、医師に「病院で根本的に治せない」と言われ、ピラティスに目を向けた。1年8カ月後のいま、歩行中の痛みが消え姿勢もよくなった。「動きがゆっくりしているので、私にもできたんです」

 東京都港区のピラティススタジオ。神経系の病気で苦しんだという70代の男性は、2年前からスタジオに通い始め、体の動きが滑らかになったと語る。「何よりの効果は、薬に頼らずに自分で病気を治そうという前向きな気持ちになったこと」

 男性を指導する桜井久直さん(48)は医学博士号も持ち、生理学など専門知識も応用する。「普段使わない筋肉も動かし、動作は小さくても効果は大きい。中高年や病後の人にも向いている」と話す。

 ピラティスは鼻から息を吸い口から吐く呼吸法に合わせたストレッチ運動だ。考案したジョゼフ・ピラティス1880~1967)はドイツ生まれ。 第一次大戦前に渡英、看護師として負傷者が病院にベッドで横たわったままできる運動で機能回復を助けた。その後米国に移ってスタジオを開設。独特のトレーニング法が筋肉を痛めたバレリーナの間で評判となり、世界に広まった。運動量重視のエアロビクスと違い、体の内部の筋肉をきちんと動かす「質」重視だ。

 吉備国際大学(岡山県)保健科学部の中嶋正明准教授は取り組みやすさも指摘する。「変形性ひざ関節症やパーキンソン病など、運動が有効だとわかっているが、患者さんの協力が得られない。その点、ピラティスは負荷が少なく美容効果が知られているためか、女性の関心が高い。介護関係者も注目している」

 欧米ではリハビリに応用されるが、日本では始まったばかり。腰痛治療などに取り入れている武田スポーツ・栄養クリニック(福岡市)の武田淳也院長(44)は、日本では技術に精通した専門家が十分に育っていないことを指摘。「リハビリ治療なら医師の診断を受け、専門家に指導してもらうのがよい」と助言する。減量などの効果を上げるには無理せず長く続けることも大切だという。

毎日新聞 2008年3月24日 東京夕刊

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