バレエエクササイズ
筋力と柔軟性/姿勢美しく
女性なら誰でも、一度はあこがれるプリマバレリーナ。最近、中高年になってから一念発起、クラシックバレエに挑戦する女性が増えているといいま す。優雅な動きの陰には地道な鍛錬があり、運動不足解消にも役立ちそうです。私も今からバレリーナになれるでしょうか。(森谷直子)
東京都港区の主婦松村慶子さん(59)は、55歳の時、バレエを始めた。それまではジムに通っていたが、高血圧のため、医師から激しい運動を止められた。そんな時、カルチャースクールの「バレエエクササイズ」というクラスを見つけた。「娘が幼いころバレエを習っていて、私自身もあこがれていました。同じ運動なら、音楽に合わせて優雅に、と思って」
ストレッチ30分
松村さんのクラスにおじゃまし、記者(38)も体験してみた。
90分のレッスンのうち最初の30分はストレッチ。床に座り、両脚を開いて上体を倒す柔軟ポーズ。記者はまず脚が90度くらいしか開かず、ひざも曲がってしまう。講師の石川範子さんは「初めての人は無理しないで」。松村さんは、と見ると、上体がぺったんと床に着いている。すごい!
次はいよいよバーレッスン。基本の立ち方から始まり、脚のポジション(6種類)、腕のポジション(4種類)、プリエ、タンデュ、ジュテ、クペ、パッセ……基本の動作が無数にある。バーにつかまり、音楽に合わせて、脚を前へ、横へ、後ろへ……。少し楽しい。でもちょっと脚を上げると、途端に上体がぐらつく。筋力不足だ。
松村さんも初めは、自信が持てなかったが、基本動作を覚えだすうち楽しくなった。普段も歯磨きしながらつま先立ちをしたり、赤信号を待っている間にも正しい姿勢を保ったり。「バレエって本当に奥が深い」
松村さんが入門して1年ほどたったころ、石川さんは、スクールの外で偶然松村さんの姿を見かけ驚いた。姿勢が良くて若々しく、別人のようだった。「中高年で始める方は、体や健康に関心が高く、勉強熱心。教えがいがあります」
腰・ひざ負担減る
石川さん(右)の指導を受ける松村さん(東京・品川区の「目黒学園カルチャースクール」で)
自らもバレリーナである京都市の整形外科医、蘆田(あしだ)ひろみさんによると、例えば、ひざを外向きに屈伸させる「プリエ」の動きはスクワットに近い。「筋力や柔軟性が鍛えられ、姿勢が良くなると、腰、ひざへの負担が減る利点もある。何より、踊るって楽しいですよ」と勧める。
ただし、無理をしないこと。「特に背中をそらせる動きは、前に倒すよりも背骨への負担が大きいので、少しずつ挑戦を」
レッスンの最後は、音楽に合わせて踊る。皆さんとても楽しそうだ。決して簡単ではない、でも、だからこそ魅惑的なバレエの世界をのぞいてみたくなった。
2007年2月25日 読売新聞


