心臓病・脳卒中のサイン
胸に違和感 心電図検査を
不整脈の治療を受け、元気に働く三橋さん(東京都内の勤務先で)
東京都の会社員、三橋進さん(71)は、大学で約25年間、薬の研究一筋で助教授まで務めた。50歳ころに一念発起。都内の製薬会社に就職し、薬の輸入販売などの責任者になり、生活は一変した。
自分のペースで仕事ができる研究職とは全く違う。薬を輸入する時、品質を確認する仕事を担当していたが、日本の薬事承認の制度が変わったり、薬に問題があったりすると急きょ、海外出張することも多かった。「仕事を正確にこなさないと納得できない」と、深夜までの残業もしばしば。ストレスからか、声が出にくくなることもあった。
2002年ころ、海外出張先のホテルで寝ていると、心臓の拍動がドキドキと急に早まり、跳び起きた。早いだけでなく、不規則に脈を打つ。しかし、翌日には治まった。そんな症状が年に2、3回あったが、それほど気にしなかった。
2004年10月、会社の健康診断で心電図を取ったことがきっかけで、不整脈の一種、「心房細動」があることが分かった。
心臓は1分間に60~100回、規則正しく拍動している。それが、何らかの原因で不規則となるのが不整脈だ。
症状は、脈が速い、脈が抜ける、脈が乱れるなど様々。胸が苦しい、なんとなく不快だ、などと訴える人もいる。ただ、不整脈には治療が不要な軽症のものが半分ほどある。
治療が必要な不整脈の一つが、三橋さんの「心房細動」だ。心臓上部の心房が不規則に震え、血液の塊(血栓)を作って、それが脳に飛び、脳梗塞(こうそく)を引き起こす危険性があるからだ。
三橋さんは、血栓ができにくくする薬などの服用を始めたが、翌年、胸の不快感が強くなった。2006年、東邦大医療センター大橋病院(東京都目黒区)で、不整脈の原因となる心臓の異常な電気信号の通り道を焼いて取り除く「心筋焼灼(しょうしゃく)術(カテーテル・アブレーション)」を2度受けた。
現在は、脈が乱れることなく、精力的に仕事をこなす。ストレスが発病の引き金になることがあり、三橋さんは「楽しく仕事をするように心がけています」と笑顔で語る。
治療が必要な不整脈には、心房細動のほかに、心拍を起こす電気信号が出なくなったりする「洞不全症候群」、電気信号が途中で途絶える「房室ブロック」などがあるが、専門医でないと判断できない例も多い。
同病院副院長の杉薫さんは「胸に違和感があれば、循環器内科を受診して、心電図が1日中測れる『ホルター心電図』による検査などを受けてほしい」と話している。
不整脈の症状
〈1〉動悸(どうき)や胸の苦しさ、重苦しさ、圧迫されるような不快感〈2〉のどが詰まる感じや空ぜき〈3〉めまい〈4〉全身倦怠(けんたい)感
2008年3月4日 読売新聞


