2008年3月10日 -- 心臓病 --

心臓病・脳卒中のサイン

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腹部や背の痛みも要注意

狭心症の治療を受けて元気になった遠藤藤吾さん(千葉県松戸市の自宅で)

 千葉県松戸市の遠藤藤吾さん(75)は2006年6月中旬、下腹周辺にきりきりと痛みを感じた。痛みは出たり、治まったり。数日後、自宅近くの病院に行ったが、原因は分からなかった。

 その後、痛む場所が変化した。まずは胃の周辺。激痛ではないが、同様の痛みだ。数時間で治まり、しばらくすると再び痛む。数日後の6月下旬、胃の痛みは消え、今度は背中が痛くなった。

 ほぼ同時期、夜中に左胸が痛み出した。差し込むような耐えられない痛み。翌日、心臓病治療に定評があり、市内にある新東京病院を受診した。

 診察した医師は心臓病を疑い、手首の血管から細い管(カテーテル)を入れて、心臓の病気を調べる「心臓カテーテル検査」を行った。心臓の筋肉(心筋)に栄養や酸素を送る冠動脈が狭くなって、胸痛を起こす「狭心症」を起こしていたことが分かった。

 冠動脈は3本あるが、そのうちの1本が、9割ほどふさがっていた。完全に詰まる「心筋梗塞(こうそく)」になると、心筋の一部が死んでしまい、突然死につながる危険性があった。

 心臓病の死亡者数は年間17万人で、がんに次いで多い。その多くを占める狭心症と心筋梗塞は、60~70歳代の患者が多い。「締め付けられるような」「強く圧迫されるような」と表現される胸痛が最も特徴的な発病のサインだ。

 しかし、胸以外の痛みを訴える患者は少なからずいる。病気がある場所以外の痛みを「関連痛」と呼ぶが、「背中や腹部の痛み」は典型的だ。痛みの情報伝達経路の問題で起きるのではないかとされるが、よく分かっていない。

 同病院心臓血管センター長(兼副院長)の中村(すなお)さんは「狭心症などにつながる危険な要因を持っていて、しかも、原因がよく分からない痛みがあれば要注意」と言う。危険な要因とは、高脂血症、糖尿病、高血圧、肥満と喫煙だ。遠藤さんは発病前に、中性脂肪値が基準値の3倍と高い高脂血症で、糖尿病もあった。

 危険な状態だった遠藤さんはすぐに、狭くなった血管に筒状の金網(ステント)を置いて広げる心臓カテーテル治療を受け、治療2日後に退院した。

 「胃や背中の痛みがまさか、狭心症とは」と遠藤さん。自宅近くの循環器内科の診療所で2週に1度病状をチェック。コレステロールや血糖値を下げる薬を服用し、大好きなようかんや大福など甘い物を控えて血糖値を下げる努力を続ける。以後、胸痛はない。大好きな囲碁を友人と打つのが楽しみだ。

 狭心症・心筋梗塞の症状

 〈1〉締め付けられるような胸痛〈2〉息切れや動悸(どうき)〈3〉吐き気や冷や汗

 主な関連痛

 〈1〉背中や腹部の痛み〈2〉歯痛〈3〉手足のしびれ

2008年3月3日 読売新聞

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