2008年2月 1日 -- ダイエット --

真皮縫合で傷目立たず

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減量後の「たるみ」除去

 東京都の会社員A子さん(29)は5年前、115キロあった体重を65キロまで落とすダイエットに成功した。2年をかけた食生活の見直しと運動という地道な努力の成果だが、困ったことが起きた。余ったおなかの皮膚が垂れ下がってしまったのだ。手術で取り除く方法があることを知り、昨年7月、東京都三鷹市の杏林大形成外科で手術を受けた。直後は、傷が大きく、痛みもあったが、半年後には傷跡も目立たなくなり、「思い切って手術を受け、すっきりしました」と笑顔を見せる。(館林牧子)

A子さんが受けた「減量後手術」は形成外科では昔から行われてきた手術だが、杏林大形成外科教授の波利井清紀さんによると、ここ2、3年で、希望者の数が急に増えた。メタボリック・シンドロームが注目され、やせ志向が一段と強まるなかで、「今後、患者数はさらに増えるのではないか」とみる。

真皮縫合で傷目立たず

 少々の減量なら、ゆるんだ皮膚は自然に縮んでくるが、年齢、性別に関係なく、減量も50キロ以上となると、かなりの皮膚が余ったままになってしまうことがある。A子さんはおなかと太ももの手術を受けたが、乳房や二の腕、背中も対象になる。

 おなかの場合、女性なら下着で隠れるラインに骨盤の端から端まで横に切り込みを入れ、余分な皮を引っ張って切り取る。へその位置を決め、丸く穴をあけて縫いつける。背中の皮も余っている時は、腹巻きのように胴体を一周する形で切る。

 乳房は、乳輪の周囲と下の隠れる部分を図のように切り、縫い縮めて乳輪の位置を上げる。二の腕や太ももは内側の皮を矢羽根のような形に切る。

 技術的には難しい手術ではないが、「縫う距離が長いので、医師にとってはとにかく体力がいる仕事」(波利井さん)という。傷を閉じるには、まず皮下脂肪、続いて皮膚の下層の真皮と呼ばれる部分、そして、最後に皮膚の表面の部分を縫い合わせて閉じる。形成外科で行う、傷跡を目立たなくするための「真皮縫合法」という縫い方だ。真皮を縫っておくことで、皮膚の表面にかける糸を細くし、強く縛る必要がなくなる。

 このように手間をかけて縫うため、手術時間は腹部だけで5~6時間、腕や足は片方で2時間かかる。おなかと腕など離れた部分の皮を取る時は、1か所につき2人ずつ、合計で6人の形成外科医が同時に取りかかることもある。

 5日程度の入院が必要で、費用は自己負担。杏林大では手術、麻酔、入院費の合計で、おなかだけなら120万円、おなかと背中を合わせると180万~200万円。乳房だけの場合は100万~120万円かかる。

 この手術は、出産後や、年を取って垂れ下がった乳房や二の腕のたるみを除くためにも行われる。拒食と過食を繰り返して皮膚がたるんだ人が手術を受けることもある。

 波利井さんによると、大学病院など規模の大きな病院の形成外科なら技術的に可能。美容外科クリニックで実施している可能性があるが、手術時間が長いので、安全に全身麻酔がかけられ、入院できる施設であることが必要だ。

 手術の合併症としては、皮下に血腫(けっしゅ)がたまることがあるが、管を入れて除去すればほとんどが治る。傷跡は半年を過ぎると目立たなくなるものの、細い線は残る。手術後に再び太ってしまっても、皮はその分また伸びるので、問題は起きないという。

2008年1月18日 読売新聞

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