2008年2月15日 -- 医療 --

スポーツ中の突然死

  • Google Bookmarks
  • Yahoo!ブックマーク
  • はてなブックマーク
  • del.icio.us
  • livedoor クリップ
  • POOKMARK Airlines
  • ニフティクリップ
  • Buzzurl
  • newsing it!

前日、十分睡眠を 指導者や教員へ知識、技術普及を

 健康維持にスポーツは欠かせないが、スポーツ中の突然死は後を絶たない。防止するには、どうしたらよいのだろうか。【石塚淳子】

 ◇7~8割、予防可能

 ◆リスクは17倍

 東京都済生会中央病院の三田村秀雄副院長(循環器)によると、スポーツ中の突然死の原因は年齢によって大きく異なる。若年層の場合は、心臓に生まれつき異常や疾患があったり、乳幼児期に川崎病にかかったケースなどが多いが、中高年の場合、多くが心筋梗塞(こうそく)だ。「スポーツでの突然死のリスクは、安静時の17倍というデータもあります」と三田村副院長は言う。

 心臓突然死は予測できないが、心筋梗塞の4大危険因子と言われる高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙は危険度を高める。予防には、普段から定期的にトレーニングして急に激しいスポーツをしないことや、スポーツをする前日は十分な睡眠を取ることが求められる。

 風邪もあなどってはいけない。風邪が原因で心筋炎を起こすことがあるからだ。スポーツ前やスポーツ中に胸痛、血の気が引くような感じのめまい、脈の乱れを感じるような動悸(どうき)があったら、すぐ中止する。汗をかいて脱水状態になると、血液が固まりやすくなるので、こまめな水分補給を心がける。

 ◆負荷かけ心電図

 スポーツの前後にウオーミングアップとクールダウンを十分することや、普段の健康チェックも重要だ。心電図は安静時だけではなく、スポーツ時の負荷をかけた状態でも取るとよいという。

 もし倒れた場合は、いかに早く対処できるかが生死を分ける。三田村副院長は「3分以内に対処できれば7割が助かる。人が倒れたら、心停止かもしれないという意識を持つこと。AED(自動体外式除細動器)の配備が進んでいるが、目につくところに置き、何かあった時のシミュレーションをしておくことが大事です」と話す。

 ◆携帯で対応解説

 とはいえ、周囲の人がどうしていいか分からず、時間ばかりたってしまうこともありうる。全米公認アスレチックトレーナーの資格を持つトレーナーらが昨年12月に発足させたNPO法人、スポーツセーフティージャパン(佐保豊代表理事、03・3770・0977)は、無料の携帯電話サイト「スポーツセーフティー」(http://www.sports-safety.net/m/ss)で、緊急事態への対応を写真入りで解説した「緊急対応ガイド」を配信している。

 「人が倒れて動かない」「痛がっている」「息苦しそうにしている」「意識がもうろうとしている」「けいれんしている」の五つの入り口から、状況に応じた対処法が分かる仕組みだ。例えば、人が倒れている場合、周りの安全を確認した上で、意識の有無を確認。意識がない場合は、救急車を呼ぶと同時にAEDの用意も指示する。気道を確保し、口の中に異物があれば取り除き、なければ呼吸の有無を確認する。AEDがある場合には使い方を、ない場合には人工呼吸や心臓マッサージの手順を解説する。

 佐保代表理事は「日本はスポーツでの事故を予防しようという意識や技術の普及が遅れている。米国での調査では、スポーツでの事故は7~8割が予防できるとされる。特に、子どものスポーツにかかわる指導者や学校の先生、施設関係者、保護者は責任として、最低限の知識を身につけてほしい」と話す。

毎日新聞 2008年2月15日 東京朝刊

健康を応援する健康情報館のトップページへ