2008年2月10日 -- 癌 --

舌のしびれで早期発見

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 横浜市の会社員(46)は2005年の秋ごろ、辛いものを食べたときにびりびりとしびれるような痛みを感じるようになった。舌の右側の縁のいつも同じ場所。とがった親知らずが、舌にあたるせいではないかと考え、近くの歯科医院で削ってもらった。

舌がんの治療後、中山さんの定期的な診察を受ける会社員男性=神奈川県相模原市の北里大病院で

 それでも痛みは治まらない。1週間後、再び歯科医院でそう話すと、「舌の異常かもしれない。口腔(こうくう)外科を受診した方がいい」と紹介状を書いてくれた。

 だが、仕事は忙しい。たいした病気ではないだろうという思いもあって、受診しないまま月日が過ぎた。正月、実家で久々に会った両親が心配して病院に行くように繰り返すので、ようやく重い腰を上げた。

 北里大歯科口腔外科に行くと、「舌に腫瘍(しゅよう)ができている」と言われ、すぐに紹介を受けた耳鼻咽喉(いんこう)科准教授の中山明仁さんから、手術を勧められた。早期の舌がんだった。

 幸い転移はなく、レーザーで舌の右側を小指1本分程度切って治療は終わった。7泊8日の入院で、退院の翌日から仕事に復帰。手術直後は切った跡がひりひりと痛んだが、1か月後には落ち着いた。今は日常生活での支障はない。「放っておかないで本当に良かった」と振り返る。

 舌がんは、早期なら一部を切るだけだが、やや進行すると放射線を出す針を舌に刺してがん細胞をたたく「小線源治療」が行われる場合がある。さらに進行すると、舌を大きく切って腕や腹、背中の筋肉などで再建する手術が必要になる。

 小線源治療は舌を切らないため、治療後も普通に話せるが、ごくまれにあごの骨が溶けたり、針を刺した部分にかいようができたりすることがある。切除後に跡に舌を再建しても、うまく話せなかったり、食事にむせたりすることがある。

 がんの初期には、舌が食事のたびにしみる、しくしくするなどの感じがしたり、口内炎ができたりする。これらが2週間以上治らない時は、まず歯科か耳鼻咽喉科に行く。異常なしと言われても、症状が治まらない場合は、がんを専門に扱う大きな病院の耳鼻咽喉科や頭頸部(とうけいぶ)外科などを直接受診してみても良いという。

 舌がんは、がんのなかでは比較的進行が早い。「2か月で2倍に大きくなることもある」と中山さん。「おかしいと思ったら、とにかく早めの受診を」と呼びかける。

 口やのどのがんは、進行してから治療を受けると、話す、食べるなどの機能が損なわれ、その後の生活が一変することもある。早期発見につながるがんの最初のサインを紹介していく。

 <舌がん発見のコツ>▼舌のわきから裏側にかけてできることが多い▼舌の痛みや違和感、しくしくする感じが2週間以上続く▼治りにくい口内炎▼表面に硬いしこりを感じる、こすって血がつく▼白い斑点は前がん病変の場合もある。でこぼこやかいようにも注意(中山さん監修)

2008年1月21日 読売新聞

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