2008年1月29日 -- メタボリック --

メタボリックシンドローム 特定健診、積極的活用を(その2)

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 --中性脂肪がやはり、重要な要素だと

 中性脂肪に関しては食事の影響を相当受けていることもあり、きちんとしたデータがありませんでしたが、最近、いくつもの有力な証拠が出てきています。例えば、筑波大学のグループによる1万人以上の住民を15年追跡調査した研究では、中性脂肪が84mg/dlあたりから徐々に心臓突然死・心筋梗塞(こうそく)・狭心症のリスクが高くなり、167以上の人では84未満の人に比べると2・86倍のリスクになります。

一方、北海道の企業労働者(男性)約7000人に対する10年間の追跡調査では、中性脂肪が162以上だと急性心筋梗塞と狭心症のリスクが4・87倍となることが判明しています。この調査で危険因子別に発症リスクを調べたところ、喫煙が5・59倍と断トツでしたが、次に中性脂肪で3・07倍、そのあとの空腹時血糖値・収縮期血圧・BMI(体格指数)などはおよそ1倍と、中性脂肪のリスクが際立っていました。さらに、欧米の29の調査研究を統合した分析(メタ解析)でも中性脂肪が冠動脈疾患のリスクであるという結論の論文が出されています。

 これらのデータから、実は中性脂肪が150未満でも決してリスクはゼロではなく、これまで以上に気をつけなければいけない危険因子だということがわかるわけです。われわれの研究でも同じ傾向が現れており、臨床現場のいわゆる2次予防の領域でも中性脂肪が重要と感じています。これまで以上に重要な点は、今回の「特定健診・保健指導」では内臓脂肪の蓄積があって、中性脂肪が150mg/dl以上ならば保健指導の対象に入りますが、150未満、あるいはその前後という低い値でも動脈硬化のリスクはゼロではないということです。

 --なぜ中性脂肪が危険なのか

 動脈硬化の病巣に中性脂肪がたまるわけではないので、中性脂肪それ自体が悪いというよりも、中性脂肪が高くなると血液中のコレステロールの状態が悪くなって、さまざまな病態を引き起こす隠れた存在だからなのです。善玉のHDLとは反比例の関係にあり、高中性脂肪血症と同時に低HDLコレステロール血症も起こってきます。一方、中性脂肪は肝臓から出てくる「リポタンパク(VLDL)」に乗って血液中を流れていますが、中性脂肪が多く含まれていると、その代謝の途中で悪性の「レムナント」ができて高レムナント血症は動脈硬化へとつながります。また悪玉のLDLよりもさらに超悪玉の「スモール・デンス・LDL」ができます。スモール・デンス・LDLは変性しやすく小粒で血管壁にもぐり込みやすいという性質があるため、さらに動脈硬化を促進することになります。

 --そういう状態を調べるには

 レムナントは、今、保険診療でも測れるようになっていますし、スモール・デンス・LDLも保険適用にはなっていませんが測ることは可能です。また、量は測れませんが、レムナントとスモール・デンス・LDLが存在するかどうかを調べるだけの検査も保険診療でできます。しかし、いずれにしても調べるには医療費がかかるので、今回の特定健診の枠には入っていません。もちろん中性脂肪が高ければ、そういう状態であることが想像できるので、それにプラスしてほかのリスクが重なればメタボリックシンドロームとしてハイリスクとなります。

 --生活習慣に関係する2型糖尿病患者に対する調査でも中性脂肪が大きなリスクとなっている

 日本で1996年から続けられている2型糖尿病患者1400人を対象にした研究「JDCS」でも中性脂肪が心筋梗塞などの冠動脈疾患発症や糖尿病腎症のリスクとなることが明らかになってきました。

参考:産経ニュース

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